組立天体望遠鏡で遊ぶ -その15-

日に々々緑が濃くなるのですが、この時期は朝と夕方で葉の茂り方が変わるのが
わかるほどです。

 

天気の良い日は新緑が目にしみます・・・
さて、今日も組望シリーズ・・・

今日は「35倍組望を作る」です。

これまでほとんどの話が15倍タイプをベースにすすめてきたのですが、
「35倍はどうよ」という質問も出そうなので少しだけ解説をしたいと思います。

 

作り方は15倍とほとんど同じです。

唯一違うのが、接眼レンズの違いによる接眼筒の組立の部分です。

 

15倍はバラバラなレンズ3枚(これを3群3枚といいます)を組み合わせて
接眼筒に組み込みますが、35倍では2枚のレンズが貼り合わされたものが
2個と、1枚のレンズ(この場合は3群5枚)の構成です。

レンズの向き、視野絞りの向きに注意して組み立てれば、あとは15倍と同じ。

 

簡単に組み上がります。

さてこの35倍、形はほとんど変わりませんが、望遠鏡としては15倍より
かなりグレードが上です。

15倍が接眼レンズに全てプラスチックレンズを使っているのに、35倍は
全てガラスレンズを使っています。

倍率が低いときにはプラレンズでもそれほど見えかたに違いは出ないのですが、
倍率がちょっと高くなるととたんに差が出はじめます。

そこをガラスにするだけで2倍近い売値になっています。(¥1580→¥2880)

単純に倍率を上げるだけなら、もっと安価にできると思うのですが、安価な
レンズ構成だと、アイポイントの短い(=のぞきにくい)ものになったり、
見かけ視界の狭いものになったりします。

子供や初心者が使うことを前提とした製品なので、この辺を改善して使いやすい
ものにするため、いろいろ検討した結果こうなったのだと思います。

このため、15倍よりも倍率が高いのに色にじみが少なく、見かけ視界がかなり
広いので、実視界が15倍とそれほど変わらないのでは?と思えるほどです。

ただ、そうは言ってもこの倍率になると星をピタリと導入できるようになるには
かなり修業が必要です。

月なら何とかなるかも知れませんが、それ以外はそれなりに練習をする必要が
あると思いますので、あまり小さいお子さん向けでないことは確かです。

でも、使いこなすことができれば15倍に比べ月の見え方はかなり迫力が
ありますし、土星の輪も確実にあるのがわかるようになります。

星雲星団は15倍のほうがお奨めですので、用途によって使い分ける必要が
あるかも知れません。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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