春の星雲星団 -その4(とりあえず完)-

春なのに今日は秋のような高い空でした・・・

 

さて、春の星雲星団の続きです・・・

春の系外銀河の中でM51(子持ち銀河)と並んで見ごたえのあるのがM81と82です。


               (Sky90にて撮影)  

組立天体望遠鏡(15倍)のような小さな望遠鏡や、4cmクラスの双眼鏡でも
ハの字に並んだ姿をスタパでは見ることができます。

どちらも1200万光年のところにあるわりと近い銀河です。

 

M81はきれいな渦巻きが特徴ですが、よほど条件の良いときでないと中央の
バルジ部しか見ることができません。(条件の良い時にはかろうじて腕が
見えます。)

 

M82のほうが望遠鏡で見たときは写真に近いイメージを見ることができますし、
多少コンディションが悪くても中央付近を斜めに横切る暗黒星雲の存在が
わかります。

これまで春の星雲星団として系外銀河ばかりを紹介してきました。

圧倒的に数が多いこともありますし、天の川が見えない時期ということは、
私たちの銀河に属する天体も見えにくい時期なので、系外銀河以外の星雲星団は
あまりありません。

 

これはおおぐま座のM97(ふくろう星雲)という惑星状星雲です。

惑星状星雲は恒星の寿命末期の状態のひとつです。

丸く惑星のように写ることから惑星状星雲と呼ばれますが、惑星とは何の
関わりもありません。

このふくろう星雲は太陽系から1800光年のところにあるかなり近い天体です。

大きな丸い星雲の中に小さな黒いマルが2つありふくろうの顔のように見える
のでこの名前で呼ばれています。

春も後半になると私たちの銀河の近傍に分布する球状星団が見え出します。

 

これはりょうけん座のM3です。

春から夏の球状星団の中では一番早く見頃になる、見ごたえのある天体です。

それでもその後に登ってくるヘルクレス座のM13(北の横綱とも呼ばれる?)に
比べると、かなり見劣りがします。

 
(M3とM13は40cmにF6.7レデューサを使用、他のデータは同じ)

観察会の時に先にM13をお見せしてしまうと、その後にどの球状星団を見せても
感動が薄れてしまうのは困りものです。

4回に分けて紹介した(少し季節外れの)「春の星雲星団」シリーズは一応今回で
終わりです。

今回ご紹介した天体のうちのいくつかはスタパの観察会でよくご覧いただい
ているものです。

その日の条件により見えない場合もありますが、コンディションに応じできる
だけお見せできればと思っています。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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