スタパ前の畑からモクモク立ちのぼるガス・・・
晴れてもいないのに地上からこれだけ水蒸気が立ちのぼれば、天気が良くなり
そうに無いですね・・・・
さて、なぜレンズが焦点を結ぶように光を曲げることができるのかという
原理の続きです。
前回、光の屈折を説明するのには光を波として考えるのがよいというお話を
しました。
これ、ホイヘンスの原理といって、17世紀、オランダのホイヘンスさんという
科学者が見いだした原理です。
このホイヘンスさん英語読みだとハイゲンスとなります。
天文ファンにはなじみの深い名前で最も古典的な接眼レンズ、ハイゲンス式
(記号:H)はこのホイヘンスさんのお兄さんの考案だそうです。
弟のホイヘンスさんは土星の衛星「タイタン」を発見したり、ガリレオさんが
「耳」だといっていた土星の輪を初めで「輪です!」と言い切った人でもあります。
先年、土星探査宇宙船「カッシーニ」がタイタンに落とした子探査船に
「ホイヘンス」の名前が付いていたのは、この故事に習ってのことだと思います。
さて、このホイヘンスさん、万有引力で有名なニュートンさんが、いろいろ
考えて「光は粒子だ」という説を展開し、これが定説になっていた頃・・・
「いやいや、波として考えれば反射も、回折も、屈折も簡単に説明が
付くんですよ」と理論を展開したわけです。
上の図は直線状の波を表していますが、ある瞬間の波は非常に小さな「素元波」
という小さな波の集合体であると考えられます。
物理や数学の世界では、ある現象を説明するときに、とにかく細かく細かく
分解して一つ一つの性質を分析して、それをまた全体に積み重ねて物事を考える
という手段が使われます。
いわゆる微分(微かに分かる)、積分(分かった積もりになる)という手法なの
ですが、これもその一種と考えてよいでしょう・・・
上の図である瞬間の波は「素元波」集合体で、それぞれが波紋を広げるように
進みます。
そうすると結果的には素元波の波紋の集合体は直線の波面になり、波の進行
方向は波面と直角な方向になります。
この原理で考えると、前回紹介した光の回折が簡単に証明できます。
上の図で隙間に対して平行に進んだ波は、隙間を通過することのできる素元波
だけが隙間の右側に出ます。
隙間のギリギリのところを通り抜けた素元波は円形の波紋の一部として広がり
縁から離れたところはそのまま直線の波面が進むという形になる訳です。
この素元波という考え方で屈折もわりと簡単に説明が付くのですが、解説は
次回に続きます・・・