超々入門 望遠鏡光学 - 正立光学系について(その4) -

蒸し暑い日が続きますね。

こちらへ帰ってきた日は、なんて涼しくて快適なんだろう・・と思うのですが、
一日たつとすっかり身体が元に戻って、蒸し暑く感じてしまうのは贅沢です
かね・・・(笑)

さて、正立光学系の続き

プリズム(またはミラー)で4回反射させて倒立像を正立像に変換するという
話をしてきたのですが、今ひとつピンと来ない方のために具体的な写真を
お見せしながら解説をしたいと思います。

 

上の図は一昨日も載せた図です。

直角プリズムで光を4回反射して入射した方向と同じ方向(光軸は平行に少し
ずれますが)に光が出ます。

ここでのポイントは2個のプリズムが90度傾けて固定されているという
ところですが、位置関係が同じであれば反射面はプリズムでなくて、鏡でも
かまいません。

ここでは望遠鏡用に使う天頂ミラーを4個使って、どんなふうに像が変化するか
見てゆきます。

まずは、何気ないスタパのダイニングの風景・・・

 

これをミラー1個を通してみると

 

像は倒立・鏡像(裏返し)になります。

次に2個のミラーを組み合わせると

 

正立像になります。

逆さま(倒立像)に見える望遠鏡で正立像になるためには、ミラーの組み合わせ
で倒立像にする必要がありますので、さらにミラーを追加します。

 

3個目のミラーで正立・鏡像になります。

さらに4個目のミラーで

 

倒立像になります。

冒頭の図と同じような角度にミラーを合わせることにより、望遠鏡で倒立像が
得られることが判ります。 

個々のミラーの向きはとても重要で、たとえば1個でも向きが違うと

 

まるで向きが変わってしまいます。

ただ闇雲に4回反射させればよいわけではないことが判ります。

何気なく正立に見える望遠鏡の中にもいろいろな工夫のあることが判ったと
思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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