東京とこちらとでは少し天候が違っていて、こちらは未だに梅雨空です。
さて、今日は「ラプトル60」登場の続き・・
ラプトル60で実際にどんな星が見えるかです。
はじめに申し上げておかないといけないのは(組立望遠鏡シリーズのときも
書いたかもしれませんが)、このクラスの望遠鏡に「これさえあれば宇宙はオレの
物」といったような過度の期待を持たないほうが良いということです。
私たちがテレビやネット、図鑑などで見るような天体の写真は、高級な機材を
使って、高度なテクニックを駆使して得られた画像がほとんどです。
1~2万円の望遠鏡でそんなものが簡単に見えたら誰も苦労をしないわけで、
見得るレベルというのは、かなり制限があると考えたほうが良いです。
(特に都会地では空が夜でも明るく照らされているため、大きな望遠鏡でも
淡い天体はよく見えません。)
そういった基礎知識を頭にいれたうえで望遠鏡を空に向ければ、予想外に
見えて感動できることも多くあります。
まず、意外によく見得るのは月と惑星(木星、土星、金星など)です。
これらの明るい星たちは都会地でも全く問題なく観察できます。
月は本当に驚くほどによく見えます。
大小のクレーターはもちろん、海と呼ばれる平坦な溶岩地形の中の微妙な
月面のうねりや、さまざまな地形が月の欠け際に沿って手に取るように見えて、
見飽きることがないほどです。
惑星はそれほど大きくは見えないものの、ラプトル60の像はとてもシャープ
なので目をよく凝らすと、それぞれの惑星の特徴がとてもよく分かります。
土星に輪があるのはもちろん見えますし、輪が大きく開いているときには
カッシーニの空隙(くうげき)と呼ばれる輪の隙間が見えると思います。
(これはかなり望遠鏡の扱いやのぞくことに熟練する必要があります。また、
ここ数年は輪の傾きが小さく閉じているので観察は難しいと思いますが・・・。)
木星はその特徴である本体の縞をごくあたりまえに観察できます。
今年は南赤道縞(SEB)と呼ばれる太くはっきりした縞が見えなくなっている、
少し珍しい光景を観察することができると思います。
また、ガリレオ衛星と呼ばれる木星の4つの月も簡単に見ることができます。
そして、金星は月と同じような満ち欠けの姿を観察することができます。
(金星の場合、半月状より欠けて見得る期間は意外に短いので調べてから
観察するのがよいです。また、肉眼では地平線に近くてもよく見えるのですが、
できるだけ高い位置に見えている間に観察したほうが気流の影響が少なく、
安定した像を見ることができます。)
続く・・