超々!入門 望遠鏡光学 遮光環について - その5 -

かれこれ1週間以上スカッと晴れません・・・

いい加減、胃が痛くなってきました。

せめて最後に晴れた先日の星景写真を・・・

 

東側にはすっかり秋の星座が顔を揃え、秋の地味な星たちの間に木星が
ひときわ明るく輝いていました。

さて、「超々」シリーズ、遮光環の続きです。

これまで図をもとに話を進めてきましたが、今日は実際の望遠鏡を明るい方に
向けてみたときの状況を説明します。

まずビクセンのポルタA80Mfです。

 

この望遠鏡、中国生産ですがとても良くできていて、対物レンズ径に対して
太めの鏡筒を使用して、内面の塗装処理や、遮光環の配置も適切になされて
います。

 

明るい方に向けて接眼部から(接眼レンズ無しで)のぞくと、上のように
ほとんど対物レンズだけが見えます。

レンズを分離するためのスズ箔による欠けが3カ所に見えていて、レンズの
外径ギリギリが見えていることが分かりますし、その外側は漆黒の遮光環が
エッジ部だけ微かに見えています。

ドロチューブ(焦点合わせのため前後する筒)の遮光環の設計が少しいい加減で、
写真では遮光環の外側からの光漏れが見えていて少し気になりますが、実害は
ないレベルです。

 

眼(カメラ)の位置を接眼部のギリギリの端までずらせてのぞいても、鏡筒内
からの一次反射光はほぼ完璧に抑えられています。

次に先日紹介したエントリー機のラプトル60。

 

この望遠鏡は昨日解説したような、対物レンズ外径と鏡筒内径がほとんど
同じタイプの迷光防止が少し難しいタイプのものです。

 

写真では少し分かりにくいですが、接眼部中央からは対物レンズ全体が見え、
かつ鏡筒内面の一次反射はほとんど見えずセオリー通りの設計と言えます。

 

しかし、眼の位置を接眼部のギリギリの端までずらせてのぞくと、昨日解説した
ように、鏡筒内面の一次反射が見えてしまいます。

純正で付属する24.5mm径の接眼レンズを使う分には、ほとんど問題ないと
思いますし、ラプトル60の場合は鏡筒内面の塗装も丁寧に仕上げられて
いますので、この一次反射による見え方への影響はそれほど大きなものでは
ないと言えます。

望遠鏡の見え味が何となくおかしいと感じたときには、このように接眼レンズを
付けない状態で(明るい方に向けて)のぞいて、遮光環がちゃんと機能しているか
どうかを確認すると良いです。

続く・・

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
カテゴリー: 天文関係, 望遠鏡・機材 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください