少し間が開きましたが「超々!入門」シリーズ再開です。
ドロチューブというのは望遠鏡のピントを出すために前後させて調整する筒の
ことで、日本語では合焦筒といいます。
この筒を前後させる機構には様々なものがありますが、ラック&ピニオン式の
組み合わせが一般的です。(写真はラプトル60のドロチューブでラック&ピニオン式です)
望遠鏡光学には直接関係がないようなのですが、これまで説明してきた遮光環と
同様、設計がちゃんとしていないと対物レンズの性能を引き出すとこができません。
ドロチューブの調整範囲がどのくらいあればよいかというと、その望遠鏡の
設計思想により大きく変わります。
1.望遠鏡に直接 接眼レンズを付ける
2.望遠鏡に天頂プリズム(orミラー)を介して接眼レンズを付ける
3.望遠鏡にカメラを取付け、直接焦点撮影をする。
などの用途に部品を追加しなくてもできるのが理想ではないかと思いますが、
1と2のあいだだけでも最低60mmくらいの調整幅が要求されます。
3で無限遠だけでなく、もっと近距離も撮影したいなどと言うことになると
もの凄く長いドロチューブが必要になります。
初心者向けの「いろいろな用途に使える」ことを売りにした望遠鏡の中には
やたらに長いドロチューブを持つ望遠鏡もあるのですが、実はこの長い
ドロチューブというのは結構なクセ者です。
調整幅を広くしようと長いドロチューブにすると・・・
上の図のようにドロチューブで対物レンズにケラレ(口径食と言います)が
生じて、対物レンズで集めた光を有効に使うことができなくなってしまいます。
特に焦点距離の短い(口径比の小さい)望遠鏡では注意が必要です。
続く・・