ホントに超入門 「望遠鏡の使い方」 その4:導入編-4

昨晩は久々の良い天気・・

 

夜半に月が沈んでからは天の川もバッチリで、スタパの屋根から煙のように
天の川が立ちのぼる風景を見ることができました。(^o^)/

さて今日は導入編その4、「導入支援機材について」(2)で、「光学式ファインダー」
の使い方です。

光学式ファインダー(以下ファインダー)は天体望遠鏡の導入支援機材としては
最も一般的なものといえますが、全くの素人の方から見ると「なぜ横に小さい
望遠鏡が付いているの?」と思われていることが多いです。

余談ですが大型の望遠鏡になるとメインの鏡筒の横に何本もの望遠鏡が付いて
いる意味も分かっていませんので、観察会のときに説明してあげると眼から鱗
というような顔をされる方が多いです。

さて、ファインダーは天体の導入を強力に支援してくれる装置なのですが、
初心者の場合、意外に使いこなしていないことが多いです。

使いこなせない原因として
a)ファインダー自身が粗悪品で、まともに使えない
b)メインの鏡筒とファインダーの光軸(向き)の調整が合わせられない
c)ファインダーで天体が見つけられない(導入できない)
などが上げられます。

a)の「ファインダー自身が粗悪」というのは論外な話なのですが、ホームセンター
などで販売されている望遠鏡の多くに付いているファインダーの中にはかなり
いい加減なものが多いです。

 

その症状として
・構造的に欠陥があって、望遠鏡で見えている像の中心にファインダーの
 中心を合わせる(光軸を合わせるといいます)がうまくできないか、非常に
 合わせづらい。

・せっかく合わせてもすぐにズレてしまい再現性がない。

・ファインダーの光学系が粗悪で暗い星が見えない。

など形ばかりのもので、こんなものなら付属していない方がよいと思えるものが
すごく多いです。

b)の光軸合わせですが、これがうまくできなければファインダー自身が無用の
長物になってしまいますので、しっかり合わせられるように練習をする必要が
あります。

ファインダーの光軸合わせが望遠鏡をうまく使いこなすことができるように
なるかどうかのハードルのひとつだと思いますのでとても重要です。

 

光軸合わせはファインダーの鏡筒受け金具に付いているネジを締めたり緩めたり
して向きを変えて行います。

調整は夜に星を見ながらでも慣れれば可能ですが、追尾装置の付いていない
望遠鏡では星はドンドン動いてしますので、ファインダーの調整ができたと
思って、望遠鏡を覗くと(よほど手早くできないと)全然ズレてしまうという
ことになるので、できるだけ昼間のうちに遠くの景色を使って合わせるのが
ベターです。

メインの望遠鏡を最低倍率にして、できるだけと遠くの(できれば1km以上離れた)
目印になりやすい対象を視野の中心に来るように向けます。

ファインダーのネジを締めたり緩めたりして、望遠鏡の中心で見えている対象が
ファインダーの十字線中央に来るように調節します。

調整ネジが2本のタイプは一本一本のネジがXY(上下・左右)方向に割り当て
られて直感的に調整が可能です。

調整ネジが3本(または6本)のものは、同時に3本のうちの2本のネジを持ち、
一本を緩めたら、一本を締めるというように少し動かしてはネジを持ち替えて
少しずつ十字線の中央に対象を追い込んで行くようにして調整をします。

慣れればそれほど難しい作業ではないので、ぜひ練習してみて下さい。

c)のファインダーに天体を導入できない。 については・・・

まあファインダーも倍率が低いとはいえ望遠鏡ですので、肉眼で見るよりは
遙かに視界が狭いです。

不自然な姿勢でファインダーを覗き込み望遠鏡を振っても、なかなか視野に
目的の天体を導入しづらいのは確かです。

・できるだけ楽な姿勢で覗けるよう体勢を整える。

・天体 - ファインダー - 自分の眼 が一直線になるようにイメージして
 ファインダーの筒の直線部分の先に対象が来るように鏡筒を振り、、
 ファインダーを覗き視野の端でも良いので対象が入っていればそこで一度
 止めて、その後じっくり十字線の中央に来るよう調節します。
 
文章で書くとたいへんそうですが、要は慣れです。

昼間のうちにあちこちに望遠鏡を振って目的の対象を次々視野の中に入れる
練習をしておくことがとても大事です。

小さな望遠鏡には小さなファインダーしか付属していないのが普通ですが、
暗い天体を見たいと思えば、口径の大きなアインダーのほうが頼りになります。

 

バランスの問題もありますが、口径50mmのファインダーがあると空のきれいな
場所ではかなりたくさんのメシエ天体を見つけることができるようになります。

あまり小さいと、暗い星を見つけるのに役に立たないので、できれば
口径30mm以上のファインダーを選ぶと良いです。

まあ、ベテランになると直接対象が見えなくても、星の並びを追いかけて
いろいろな天体を導入してしまう猛者もたくさんいますし、都会で月と
惑星くらいしか見ないのであれば、小さなファインダーでも充分ですが・・・

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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ホントに超入門 「望遠鏡の使い方」 その4:導入編-4 への3件のフィードバック

  1. EMI のコメント:

    光学ファインダーはある程度望遠鏡に慣れた人がメシエ天体などを狙うのに便利だけど、初心者にはちょっと大変な部分もありますよね~~~。

    私も本当に導入には苦労いたしました。
    未だに苦手で望遠鏡の向きを合わせるだけでは木星すら導入は出来ません。
    でも、ある日『両目で見る』ようにしてからは随分導入がスムーズになりました。
    右目でファインダーを覗きながら左目も開けて、見たい星(もしくは星座の中でM天体があると思う一点)を同時に見るんですよ。
    見たい天体とファインダーの十字線が脳内で重なるように望遠鏡を動かすと、そのうちファインダーに天体が入ってきます。

    結局淡い星雲などは最後まで苦手でしたが(ウルトラの星M47星雲は最後まで見られませんでした(涙))ぎょしゃざの星団やおおくま座付近の銀河を自力で見つけた時は本当に感動しました。
    せっかく望遠鏡を購入したのなら、ぜひ、皆さんにあの感動を知ってほしいなと思います。

  2. EMI のコメント:

    ああっ(汗)間違ってしまいました!!
    ウルトラの星はM78星雲だ~~~!!

  3. スタパオーナー のコメント:

    EMIさま
    自分でサクサク色々な天体が導入できるようになると、この趣味は本当に楽しくなります。

    「・・十字線が脳内で・・」 う~・・よく分かります。そー、このコツをつかむまでがたいへんなんですよね。

    まあこの記事を書いているのも少しでも多くの方に楽しさを分かっていただければと思って
    書いているのですねぇ~(^o^)/

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