ホントに超入門 「望遠鏡の使い方」 その5:導入編-5

実りの秋・・

 

少し草むらに入ると服がひっつきむし(草の実)だらけななります。
これはあまりありがたくない実りの秋ですね・・・(^_^;)

さて今日は導入編その5、「導入支援機材について」(3)で、「スポットファインダー」
の使い方です。

スポットファインダーというのはもともとフィールドスコープ用に作られた
ものではないかと思います。

 

ここではほんの一例を紹介していますが、光学式ファインダー以上に様々な
形状のものが市場にあります。

外観だけでなく、目標を示す点(スポット)が単なる点ではなく・・

 

のように様々なレチクル(目盛)を映してくれるタイプもあります。

フィールドスコープは昼間使用するのがメインですし、せいぜい60倍くらい
までの倍率で導入できればよいので、「光学式ファインダー」のつもりで使うと
ガッカリしてしまうことがあります。

素通しに近いレンズ(ガラス)にスポットを映し出しているだけなので、当然
倍率は掛かりません。

また、これも当然ですが目で見える以上に暗い星が見えることもありません。

望遠鏡のほうが100倍を超えると、相当気を使ってスポットに星を合わせ
ないと、視野に導入できないこともあります。

でも、でも、スポットファインダーの利点は光学式のように眼をガッツリ着けて
覗き込まなくても、多少眼の位置が光軸からずれていてもスポットが見えて
くれるので、とても気楽に導入が行えます。

この気楽さは中途半端な性能の光学式ファインダーを使う気がしなくなるほどです。

対象が明るい星のときはスポットファインダーがお奨めです。

また、自動導入タイプの望遠鏡でアライメントのときに初めの一個の明るい
星を導入すれば良いのであれば、これもお奨めです。

ベテランになると対象が直接見えなくても、肉眼で見える星を頼りに「あの星と
この星を結んだこのあたりにM51がある・・」 というように導入ができる
ようになる人もいます。

低倍率で星雲星団を流す(次々に見る)ようなときにはこんな使い方もあると
いうわけで、この手のベテランのなかには「光学式ファインダーなんぞいらね~」
と豪語する方もいるほどです。

さて、具体的な使い方ですが、望遠鏡とスポットの光軸を合わせるのは
光学式と同じです。

昼間のうちに遠くの景色を望遠鏡に入れて・・

 

スポットファインダーの光点が望遠鏡の視野の中央に来るように調整します。

 

調整のしかたは機種ごとに異なり、中には工具を必要とするものがあるので
事前に取り扱い説明書で確認をしておいて下さい。

特に工具を必要とするものは夜になってから調整しようとすると、意外に苦労
する場合があるので、できるだけ昼間のうちにすることをお奨めします。
(調整になれていれば別ですが・・・)

先ほど眼の位置が多少ラフでも良いと書いたのですが、スポットはガラスの
反射光として見るので、あまりラフすぎるとスポットがガラスから外れて
見えなくなってしまいます。

 
  写真はスポットが外れるギリギリのところ

眼の位置が自由になりすぎるので、小さなお子さんではうまくスポットが
見つけられないといった場合もあります。

光学式と同様、対象 - ファインダー - 自分の眼 が一直線になるように
イメージして眼の位置を決めるようにすると、わりと簡単にスポットを見つける
ことができるようになります。

また、星を見つけるときにはスポットの明るさをできる限り暗くしておかないと
スポットの明るさに星の明るさが負けて見えなくなってしまいます。

安いスポットファインダーの中には夜のことを考えておらず、スポットがあまり
暗くならないタイプもありますので、購入のときは天体用であることを確かめる
ようにして下さい。

最後に・・スポットはLEDを点灯して作るので電池が必要です。

スイッチを切り忘れると次に使いたいときに、点灯しなくなりますので、
くれぐれも切り忘れに注意するとともに、必ずファインダーの近くに予備の
電池を用意しておくことを忘れないで下さい。

山の中で電池がないばかりに望遠鏡が使えないのはとても悲しいですから・・・
(と経験者は語る・・・(>_<) )

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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ホントに超入門 「望遠鏡の使い方」 その5:導入編-5 への2件のフィードバック

  1. とみぞう のコメント:

    はじめまして。とみぞうと申します。

    当方は、スポットファインダーを愛用しております。

    肉眼で見つけにくい天体の場合、低倍率の双眼鏡を通して、スポットファインダーを覗く方法を使います。

    こうすると、双眼鏡の視野に、赤いスポットを観る事が出来ます。
    このスポットと意中の天体を合わせる事で、かなり暗い天体も、スムーズに導入出来ます。

    ちなみにに、これに利用している双眼鏡は、ヒノデ、5×20 a1です。

  2. スタパオーナー のコメント:

    とみぞうさま
    どうも初めまして&コメントありがとうございます。
    おおッ!、この方法は目から鱗ですね。(^o^)
    ヒノデのa1は低倍でのぞきやすい(アイポイントの位置が寛容です)のでこういう使い方には最適な組み合わせかも知れませんね。
    今度試させてもらいますね!
    このブログはヒノデのスタッフも見ていると(たぶん)思いますので、喜ぶと思いますよ~

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