ホントに超入門 「望遠鏡の使い方」 その7:ピント合わせ編-1

さて、望遠鏡で目的の天体が導入できるようになると、次はピントを合わせる
という作業が必要になります。

このピントを合わせるという作業も初心者にとっては、かなりハードルの高い
作業です。

スタパで(ほとんど)初めて望遠鏡を使う方が、月を何とか導入しているのを横で
見ていると「なんかよく見えないんですけど・・・」といってくることが多いです。

月は明るいので初心者でもわりと簡単に導入できるのですが、次の作業として
ピントを合わせるということを忘れていたり、うまく調整できていない場合が
多いです。

ひとつにはピントを合わせるために相当たくさんピント調整用のノブを回さ
ないと調整ができないために途中であきらめてしまうということもあるのですが、
精密なピント合わせというのはかなり微妙な作業であるからです。

今となっては笑い話なのですが、私自身、初めて望遠鏡を購入したとき(今から
40年も前です)、初めのうち星が下の写真のように見えて・・・

 

「望遠鏡で見ると星ってこんなに大きく見えるんだぁ~」と喜んだものです。

でも、なんか変だということに気がついて、あれこれいじっているうちに
(1~2週間もたった頃に)スーッと星像が小さくなって点像になることが
分かりました。

ピント合わせのやり方をこの時点でようやく理解できたというわけです。

この時「なんか変だ」と思わなければ、未だに望遠鏡というの星が大きく見える
ものだと思っていたかもしれません・・・。

ピントをしっかり合わせなければ、望遠鏡本来の性能が発揮できません。

たとえば35倍の組立望遠鏡は接眼部がネジになっていて、グリグリ回して
ピントを合わせる構造になっています。

無限遠から3~4m位の近距離までピント調整が可能ですが、相当大胆にグリグリ
回してあげないと、無限遠から最近点までの調整ができません。

この望遠鏡は土星に輪があることが分かる性能なのですが、ピント合わせの
ネジが半回転ズレているだけで、ピントがぼけて輪があるかどうか分からなく
なってしまいます。

それほどピント合わせというのは微妙でシビア-なものなのだということを
覚えておいて頂きたいのです。

続く・・

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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