ホントに超入門 「望遠鏡の使い方」 その9:ピント合わせ編-3

スタパ周辺もここ数日の冷え込みで、だいぶ黄葉が進んできました。

 

夕方には夕焼けがきれいでしたが、台風が近づいているせいか、天候が下り坂の
ときの夕焼けといった感じでした。

さて、今日は「ピント合わせ編」 その3です。

今回はピント合わせをするための機械部分について解説しておきます。

通常ピントを合わせるためには接眼レンズを前後させるようなタイプが多いです。

1.ラック&ピニオン式

屈折式や反射のニュートン式などには最も多く使用される合焦装置で、単に
ラックピニオンと呼ぶ場合もあります。

 

回転ノブの回転をドロチューブ(合焦筒)の直線運動に変えます。

 

たいへん単純な構造ですが可動範囲を大きくできるので、ひと昔前までは
ほとんどの望遠鏡がこの方式で作られていました。

2.ヘリコイド式

一眼レフカメラのレンズやズームのように筒の部分を回転させることにより
ドロチューブの長さを調節する方式です。

 

回転させる外側の筒の回転範囲が限られ、可動範囲が狭いので補助的に手動で
抜き差しする筒と組み合わせたり、延長筒を入れたりして使われることが多い
です。

一時期はかなり廃れていたのですが、ボーグの望遠鏡がこの方式をメインに
使用するようになって、また使われることが多くなっているようです。

3.クレイフォード式

わりに最近高級機種に採用されるようになった、合焦機構です。

 

形状はラックピニオン式に似ていますが、金属の摩擦による伝達機構なので
バックラッシュと呼ばれる遊びがありません。

さらに写真の例では回転ノブが二重になっていて粗動と微動が使い分けられる
ようになっています。(上の写真では黒いつまみが微動)

特に短焦点(F8以下)の主鏡ではピント合わせがたいへんシビアになりますので
この微動はたいへん重宝します。

また、1や2よりも(特に微動は)たいへん軽い力で回転ができるので、華奢な
架台に載せているときは、ピント合わせのときに望遠鏡がぐらつきにくいのが
たいへん良いです。

4.主鏡移動式

シュミットカセグレイン式などカタディオプトリック系と呼ばれる光学系の
場合には主鏡を前後させて合焦させる方式もあります。

 

接眼部が機械的に固定されているので重い部品(カメラなど)を取り付ける場合
には有利です。

ミラーシフトと呼ばれる主鏡のわずかなズレによる視野の動きが問題になる
場合があります。

続く・・

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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