ここのところの涼しさで急速に秋が深まっているようです。
月見草(正しくはマツヨイグサ)の横にはススキの赤い(=若い)穂が出はじめました。
さて「月を味方にする」シリーズ、昨日に続き月の全景写真を撮影するテーマの
ヒントです。
今日は月の首振り運動がテーマです。(2009年12月9日掲載記事「月の首振り
運動」より)
月はいつも地球に同じ面を向けていますが、小さく首を振るような振る舞いを
しています。
この首振り運動を「秤動」(正しくは(しょうどう)ですが一般的に(ひょうどう)
と読みます。)といいます。
完全に秤動がなければ地球からは月の面積の半分しか観測できませんが、
秤動のおかげで59%までが観測できます。
どんなふうに首振りをしているかは「天文年鑑」に掲載されているので、
そちらで調べて頂ければと思うのですが、首振りの向きや大きさは月齢や
地球との距離とは全く無関係で、同じ月齢のときでも見えている地形や、
欠け際に並ぶクレーターなどが全然違ってしまうということが起こります。
下の写真は上弦の月と下弦の月を、月の中央の地形が重なり合うように
合成したものです。
秤動が全くなければ上弦と下弦の月の写真で地形を合わせて合成すれば
満月のようなきれいな円になるはずですが、こんなに上下がズレて、しかも
縦にもつぶれた組み合わせになっています。
様々な秤動の位置関係で上弦と下弦を組み合わせるのも面白いですし、
同じ月齢でも秤動の影響でこんなに見え方が違うというテーマも面白いと
思います。
いろいろな組み合わせがありますし、表現のしかたでうまく工夫をすれば
これもたいへん重要な教育的データなると思います。
続く・・