さて今日はいきなり「月を味方にする」シリーズ。
(ということは今日も悪天候・・・(>_<) )
昨日に続き月のある状態での星景写真。
昨日は月を照明として使う手法について書きましたので、今日は月を風景の
一部として使う方法について少し詳しく説明したいと思います。
月を風景と一緒に写し込んだ写真にしたい場合、満月に近い月だと写野
全体が明るくなりすぎて夜という雰囲気が全然なくなってしまいます。
逆に月が月と分かるように撮ると、真っ暗で(月だけが小さい丸に写って)
全然面白くないものになってしまいます。
この作例では全景に冬木立を置いて月だけしか写らなくなるのを防いでいます。
冷静に考えて頂けると分かるのですが、通常の明るい場所での撮影でも
被写体を照らしている光源(屋外なら太陽、室内なら照明器具)に向けて
写真を撮れば上と同じようなことが起こります。
月があまりまぶしいものでないので、つい勘違いしてしまいがちですが
写真に撮るためには眼で見るよりもかなり明るく露光をかけるので、昼間の
逆光写真と同じことが起こるというわけです。
ということは月光を風景写真の照明として使えるような明るさの月齢の月は
風景の一部に写し込んで使うのには無理があると考えたほうがよいです。
月を星景写真の一部として用いるのであれば、新月を挟んで下弦から上弦
くらいまでの範囲がお奨めの月齢ということになります。
この作例は月齢24(新月から-4.5)です。
ただこのお奨め範囲には例外があって、例えば地平線近くにある(昇ったばかり、
または沈む直前の)月は大気による減光が大きいので満月に近いときでも写し
込んで星景写真を撮ることができます。
また雲が月のまわりだけにあって、うまく光を遮ってくれるような場合も
それほど月が明るくなりすぎずに星景写真を撮ることができます。
この作例は月齢10.2ですが薄雲が月明かりを遮ってくれて不思議な雰囲気が
出ています。(星を強調するために13秒のカットを3枚合成しています。)
またもう一つの例外として月に暈が出ているときは満月前後でも絵になります
ので全景を選んで積極的に撮影するとよいですね。
月を味方にした星景写真というのは昼間の写真と違って、日毎に月齢が変化し
月の位置が変わってしまうので、同じ撮影条件に出会える可能性がとても
低いです。
次の同じ月齢の日には星座が変わってしまいます。
空のコンディションや雲の状況まで加味すると、同じ条件の星景写真は2度と
撮れない、まさに一期一会の撮影条件といえます。
月を味方にした星景写真にはまってしまうと、とにかく晴れていたらカメラを
持って外へ飛び出したくなってしまいます。(^_^)v
続く・・