またもや台風接近で外にカメラが持ち出せない・・・
そんなわけで昨日撮影した道端の花・・・
さて「月を味方にする」シリーズ、昨日の続き「重星の楽しみ」についてです。
昨日は重星というのは定義があやふやで、あまりよい資料が見あたらないという
ことを書きました。
ここでは簡単に、二つの星が接近しているのが二重星、三つや四つの星が
接近して見えるのが三重星、四重星・・総称して多重星と呼びます。
特に見かけに接近しているだけでなく、お互いが引力で結びつけられていて
(太陽と地球のように)回転している重星を連星と呼びます。
肉眼二重星なんていうのもありますが(北斗七星のミザールとアルコルは有名
ですが・・・)
ここでは望遠鏡で重星を楽しむ場合について話を進めます。
昨日も書きましたが、二重星には肉眼で見えるものから、望遠鏡で見ても
見えないものまで様々なものがあるのですが、それだけに望遠鏡の性能によって
見えたり見えなかったりするものがあります。
望遠鏡の性能をテストするのにテストスターと呼ばれる二重星を使うことが
あるほどです。
自分の望遠鏡がどのくらいの水準なのか口径に見合ったテストスターを選んで
分離して見えたときには嬉しいものなのですが、観測する日の大気の揺らぎの
状況によって見え方がかなり変化します。
テストスターばかりを狙っていると、どうも辛い修業をしているようで
(分離して見えたときは嬉しいのですが)、あまり楽しく思えないことが多いです。
人によって感性が違うので難しいのですが、少なくとも私の場合は限界性能に
挑戦して、望遠鏡の高性能に酔うよりは、直感的に「きれい」とか「楽しい」
といえる重星のほうが好きです。
何をもって「きれい」とか「楽しい」というのかについても個人差があるので
難しいですが、「きれい」についてはだいたいが「色と明るさの対比」で
説明できるようです。
二つの星が並んでいる場合、同じ明るさで、同じ色(等色等光といいます)も
面白いのですが、異なる色の星が並んでいると「きれい」といわれることが
多いようです。
色の対比が美しいといわれる二重星で代表的なのは「はくちょう座」のクチバシに
あたる星でアルビレオと呼ばれる星です。
望遠鏡で見ると少しオレンジがかった黄色い星と青みがかった星のペアです。
ただ、この色の見え方というのはかなり個人差があって、これをテーマに
論文が書けるのではないかと思うほど奥が深そうだということがこの仕事を
しているうちに最近解ってきました。
続く・・・