今日はクリアに晴れあがって、カラマツの向こうの富士山がクッキリと
きれいでした。
さて秋の星座シリーズ今日は「くじら座」です。
くじら座はカシオペヤ、アンドロメダなどの星座が織りなす秋の星座絵巻の
配役のひとつです。
海の神ポセイドンに遣わされて高慢なカシオペヤを懲らしめるために古代
エチオピアの海を荒らし回る怪物です。
生け贄に捧げられたアンドロメダ姫を今まさに食いつこうとするときに勇者
ペルセウスに退治されてしまうというちょっと可哀相な役所です。
本来トドやセイウチのような海獣の化け物という設定なのですが「大きな海の
獣の化け物」という意味がなぜか2本では「くじら」と訳されて星座絵とは
少し違う星座名になっています。
くじら座も秋の星座らしく(?)あまり明るい星がありません。
唯一、尻尾にあたる「デネブカイトス:クジラの尻尾の意」が2等級の星です。
場所はうお座の下(南)側あたりで、頭からしっぽの先までではかなり大きな
星座で、全天でも4番目の面積を持つ星座です。
やたらとでかいのに暗い星ばかりなので、星のきれいな場所でないと形を
たどるのは難しいです。
ただ形はおばけ海獣をわりと連想しやすい配列なので一度見付けられれば
覚えやすい星座です。
みずがめ座やおとめ座など星座名からその形を連想するのが難しい星座も
多くありますので、そういった意味では名作のうちに入るかも知れません。
ところでこのくじら座、秋の星座絵巻の配役のひとつではあるのですが、秋の
水がらみの星座(やぎ座の尻尾、みずがめ座、みなみのうお座、うお座)のひとつ
でもあります。
みずがめ座のところでも解説しましたが星座が確立された古代エチオピアでは
みずがめ座のあたりに太陽が来る頃に雨期による雨の恵がもたらされたことから
空に水がらみの星座を集めたということになっています。
くじら座はたまたまここにいるといった感もあるのですが、偶然で片づけるには
もったいないほどの場所にいると思います。(続く)