気流の良い日・悪い日

今日も良い天気。

131123fuji

ここのところ毎日当たり前のように富士山が見えます。

空気が澄んで限りなく冬の天候になっています。

さて星空を眺めるときに空気が澄んでいるかどうかというのは
とても重要なことなのですが、望遠鏡で拡大して天体を眺める場合
には気流の落ち着き具合(一般には「シーイング」といいます)が
とても重要になります。

冬は空気が澄んで星がキラキラしてみえることが多いですが、
このキラキラが実はくせ者で、目で見てキラキラ見えるようなときは
上空に強いジェット気流が吹いていることが多いです。

そんなときに望遠鏡で月や星を見ると、グラグラ煮え立ったお湯の
中の石を見るような見え方になってしまい、細かい部分の観察が
できません。

普段望遠鏡を覗かないかた(実はほとんどの人がそうだと思いますが)
にはピンとこないかも知れないのですが、シーイングの善し悪しは
とても重要なことなんです。

同じ条件の日でも、天体が地平線から昇ったばかりの時は空気の中を
長く光が通るので、シーイングは悪いのでなるべく高く昇った時刻に
観察をするのがベターということになります。

また一晩の中でも時間帯で善し悪しが変わったり、天候に変化で
変わることもあるので、見え具合はいつも変わると思っていた方が
良いです。

前置きが長くなりましたが、今夜はものすごくシーイングが悪くて
困ったのでこんな話になりました。

毎日、月の写真を撮っているとそんな日に当たることもあります。

で、まずは昨晩の月。

131123moon_1865

昨晩もそれほど良いシーイングではなかったのですが、まあなんとか
普通に仕上げることができました。

次に今夜の月。

131124moon_1869

シーイングの悪いときと言うのはピントもよく解らないので、仕上げの
段階でよけいに苦労することになります。

見比べて頂くと、今夜の月は欠けていない方の縁がぼけた感じですし、
全体に寝ぼけた写りになっているのが判ると思います。

星がきれいに見える夜だからといっても、望遠鏡でよく見える日だとは
限らないという、ちょっと残念なお話でした。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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