今日も良い天気。
ここのところ毎日当たり前のように富士山が見えます。
空気が澄んで限りなく冬の天候になっています。
さて星空を眺めるときに空気が澄んでいるかどうかというのは
とても重要なことなのですが、望遠鏡で拡大して天体を眺める場合
には気流の落ち着き具合(一般には「シーイング」といいます)が
とても重要になります。
冬は空気が澄んで星がキラキラしてみえることが多いですが、
このキラキラが実はくせ者で、目で見てキラキラ見えるようなときは
上空に強いジェット気流が吹いていることが多いです。
そんなときに望遠鏡で月や星を見ると、グラグラ煮え立ったお湯の
中の石を見るような見え方になってしまい、細かい部分の観察が
できません。
普段望遠鏡を覗かないかた(実はほとんどの人がそうだと思いますが)
にはピンとこないかも知れないのですが、シーイングの善し悪しは
とても重要なことなんです。
同じ条件の日でも、天体が地平線から昇ったばかりの時は空気の中を
長く光が通るので、シーイングは悪いのでなるべく高く昇った時刻に
観察をするのがベターということになります。
また一晩の中でも時間帯で善し悪しが変わったり、天候に変化で
変わることもあるので、見え具合はいつも変わると思っていた方が
良いです。
前置きが長くなりましたが、今夜はものすごくシーイングが悪くて
困ったのでこんな話になりました。
毎日、月の写真を撮っているとそんな日に当たることもあります。
で、まずは昨晩の月。
昨晩もそれほど良いシーイングではなかったのですが、まあなんとか
普通に仕上げることができました。
次に今夜の月。
シーイングの悪いときと言うのはピントもよく解らないので、仕上げの
段階でよけいに苦労することになります。
見比べて頂くと、今夜の月は欠けていない方の縁がぼけた感じですし、
全体に寝ぼけた写りになっているのが判ると思います。
星がきれいに見える夜だからといっても、望遠鏡でよく見える日だとは
限らないという、ちょっと残念なお話でした。