ミニスコープで遊ぶ Kasai Pico-8 -その2-

今日も雨模様。

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今日も幻想的な風景が楽しめます。

さて、昨日紹介したKasaiのPico- 8(ピコハチ)ですが、とてもクセの
強い望遠鏡だとお話しました。

ポルタA80Mfと昼間の風景で比べたとき「おお、さすがマクカセ、
色収差がぜんぜんなくて、イイねぇ~」と思ったのですが、倍率を
80倍位まで上げると、何だかとても寝ぼけた感じに見えます。

接眼レンズを外して中を覗いてみると・・・

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マクカセやシュミカセでは構造上必須の部品である遮光筒の内面が
ご覧の通りピカピカに光っています。

この迷光が視界をモヤっとコントラストの悪い状態にしているようです。

倍率100倍を超えると朦朧とした見え方になりかなり不快に感じます。

天空光の輝度が非常に低い夜間に使用したときどのように見えるか
今のところ不明ですが、この状態のままだととても昼間気持ちよく
使える望遠鏡とは思えません。

笠井さんの製品紹介サイトには「地上望遠鏡としても・・・」と書いて
あるのですがね・・・

カセグレイン系光学系の宿命で、接眼部近くに遮光筒を設けて副鏡
だけが見えて、構造的に前方の開口部からは光が入り込まないよう
にしなければなりません。

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でも鏡筒内のスペースの関係上遮光筒はできるだけ細く短くした
方が良いのですが、迷光を防止するためには太く長くするほうが
良いです。

どの辺で妥協するか、遮光筒の内面処理をどうするかなど設計サイド
の腕の見せどころなのだと思います。

ただし、小口径になればなるほど設計的な余裕が無くなり、犠牲に
しなければならない部分が増えます。

ある程度幾何学的に決まってしまう部分が多いので、例えば口径80mm
の望遠鏡で1mmの余裕しかない場合でも、400mmの望遠鏡なら5mmの
余裕があることになります。

5mmも余裕があればかなりしっかりした迷光対策ができるのですが、
1mmではかなり難しいと言った問題が生じてしまいます。
(実際スタパの40cm望遠鏡もシュミカセ型なので遮光筒が付いてい
ますが、十分な太さがあるために遮光筒の内側に遮光環がたくさん
設けられていて、昼間接眼部をのぞいても遮光筒内部には迷光が
なく漆黒に見えます。)

そういった意味で マクカセとては最小クラスであるPico-8は迷光
対策にかなり苦労をしているといえます。

迷光を低減するためにどうしたらよいか少し考えてみました。(続く)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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