今日は曇りから雨になってしまいました。
この時期にしてはとても暖かくて、今週末から週明けに掛けての
ふたご座流星群がちょっと心配です。
さて日本の金星探査機「あかつき」が雌伏5年にしてようやく金星の
周回軌道に乗ることができたとのニュースが昨日発表されました。
同機に備えられた紫外線カメラで撮影されたとても美しい画像も
公開されています。
金星を夜になってから望遠鏡で見ると、ものすごくまぶしく輝いていて
とても金星面の模様を見ることができません。
でも地上からでも紫外線で撮影すると上の画像ほどではないですが
上の画像のような写真が撮れることが昔から知られています。
もちろんこれからもっともっとすごい画像や、様々な観測が行われる
のだと思いますが、何とかスタートラインに立ったと言うことでしょう。
さて上の画像を見ていて、ふと思い出したのが下のスケッチ・・・
私が学生時代(1975年!!)に8cm屈折望遠鏡で観測した金星のスケッチ
です。
作画の時刻を見て頂くと分かるのですが、正午少し前に描いています。
当時は天文部の中で昼間に金星のスケッチをするのが流行っていて
天気が良ければ授業をサボって・・、いや授業の合間に、競って金星
スケッチを採っていました。
金星はとても明るいので望遠鏡を使えば、昼間に見える月のように
青空の中に白い星として簡単に見ることができます。
夜になるとまぶしくて見えない模様が、昼間空も明るい時に見ると
とても微かでデリケートな見え方なのですが、わずかな濃淡がある
ように見えてきます。(総じて惑星面の模様を観測するためには、
非常に淡いコントラストを捉えることができるように訓練が必要に
なります。)
当時のアマチュアの惑星観測といえば、ひたすら望遠鏡で見てスケッチや
模様の位置の測定をするのが主流でしたから(当時の機材ではまともな
写真が撮れなかったこともありますが)、とにかく眼を鍛えるためにも
見えにくい金星の模様を観測していました。
何より昼間の観測なのでお手軽ということもありました。
あわよくば雲(=模様)の動きを捉えて規則性を見つけることができ
ればと観測していたのですが、なかなか良いデータにならず、そのまま
になってしまいました。
それでも何人かで交代に採ったスケッチを比較して、明らかに同じ
傾向の模様を捉えていたので、幻を見ていたのではなく、実際に
金星面に存在した模様を見ていたのだと思います。
あかつきが撮影した画像を見て、何となく学生時代に自分が見たと
記憶していた金星の模様に近い感じがしたので、40年前のスケッチを
引っ張り出したわけです。
向きも輝面比も違いますし、模様の傾向も違うのですが、何となく
模様の流れなど雰囲気が驚くほどよく似ていて、明らかに同じ
惑星の姿だろうなという気がしてきます。
ああ・・・、ついにJAXAさんが私に追いついてしまった・・・・。
(なんてね・・)