天体望遠鏡入門講座 1-6

今日も終日曇りの一日でした。

蒸し暑くて、だいぶ雲は高くなって来ているように感じますが・・・

さて望遠鏡入門講座の続きです。

第1章 概論

1-6. 天体望遠鏡を構成する部品

一口に天体望遠鏡と言っても様々な部品で構成されています。

大きく分けて次の三つの部品群によって構成されています。

・鏡筒:望遠鏡の本体、心臓部とも言える光を集め拡大するための光学機器部分

・架台:鏡筒を任意の方向に向けて固定ししたり、星の動きを追尾したりする機械部分です

・脚部:鏡筒および架台部を適切な高さに保ち支える部品で、いわゆる三脚の形を取ることが多いが、ピラー式の物もある

以下に少し詳しく説明します。

1)鏡筒

鏡筒は対物レンズ(反射式では対物鏡)で集めた光を、接眼部に導き焦点位置に置かれた接眼レンズやカメラなどで適切に観測ができるようにする部品です。

屈折式では鏡筒の一番先端には迷光を防止するための「レンズフード」があり、その底に「対物レンズ」とそれを収める「レンズセル」(単にセルと呼ばれることが多い)が配置されています。

対物レンズに入射した光は「筒」の中を通り、「接眼部」に導かれますが、この筒の中には迷光を軽減するための「遮光環」と呼ばれるドーナツ状の部品が1枚以上配置されていることが多いです。

「接眼部」は取り付ける接眼レンズやカメラなどの形状や特性によって焦点の調整ができるように「ドロチューブ」と呼ばれるメインの筒よりもやや細い筒が出し入れできるようになっています。

ドロチューブの先端に接眼レンズを取り付けるのですが、接眼レンズには直径24.5mm、31.7mm,50.8mmという3種類の規格があります。

接眼レンズも鏡筒の一部分ではあるのですが、説明が長くなるので別章で詳しく説明します。

また屈折望遠鏡のように鏡筒が空に向いたとき接眼部が下を向くような形状では接眼レンズをのぞき込むのが非常に苦しくなるので光を直角に曲げる「天頂ミラー」(または天頂プリズム)と呼ばれる部品を組合わせることが多いです。

鏡筒の中間、接眼部よりには「ファインダー」と呼ばれる小さな望遠鏡が取り付けられていることが多いです。

ファインダーには十字線が組み込まれていて、この十字の中心に星を合わせるとメインの鏡筒のほうで多少高倍率でも視野内に導入できるようになります。(もちろん事前に調整が必要ですが・・・)

反射望遠鏡(ニュートン式)の場合は基本的な部品構成は屈折式と同じですが、光学的な違いから部品の位置が少し異なります。

「主鏡セル」は(鏡筒が上を向いたとき)一番下にあります。

筒先側には「斜鏡」を保持・調整するための「斜鏡セルとステー(保持金具)」が配置されています。

ニュートン式の「接眼部」は鏡筒先端部近くに鏡筒に直交するように配置されています。

屈折式の場合はドロチューブを長くして天頂ミラーなどの部品を付けても調整できるようにすることが多いのですが、ニュートン式では調整幅を長くするとドロチューブを繰り入れたときに光路を邪魔してしまうことがあるので、調整幅はそれほど大きくないことが多いです。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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