プル-セル25mmに十字線を入れる

今日はまあまあの好天。

さて先日入手したアストロストリート社の60mmガイドスコープ。

電視観察に使えないかと画策したのですが、球面収差が大きすぎてあまり電視観察向きでないことが分かりました。

そのまま死蔵するのも癪なのでファインダーとして使うことを検討しました。

ファインダーとして使用するためには十字線の入った接眼レンズが必要ですが、60mmガイドスコープの焦点距離(f240mm)を考えると焦点距離25mm前後の接眼レンズが必要になります。

具体的には、30mmで8倍、24mmで10倍、20mmで12倍になるのですが使い勝手を考えると10倍以下が望ましく、8.5倍以下では射出瞳が7mmを越えてしまうので、28mm~24mmの範囲の接眼レンズがベストです。

市販品でこのクラスの十字線入り接眼レンズを探したのですが31.7mm径では見つけることができませんでした。(2”径なら笠井トレーディングに26mmが有りまししたが・・)

無いなら作ってしまえと言うことで取り出したのがこちら、

プルーセル25mmです。

レンズの視野絞りのあたりに十字線を張るので分解します。

さらにレンス鏡筒(黒い部分)のアイレンズ側を廻してレンズを分解します。

この際アイレンズ側(除く方)を下にして立てた状態で鏡筒を緩めて行くとレンズがバラバラにならずに分解できます。

対物側に切られたネジの上端付近に視野絞りがあるので十字専用の糸が通せる穴(1~2mm程度)を90度毎に4箇所開けます。

糸(釣り糸)を通して、瞬間接着剤で止めます。(ここでは0.128mmを使用していますが、もっと細いのがベターです。)

実際には下のようにビッシリ糸を仮止めしてから接着剤を流し込みます。

余談ですが、糸を指で押さえながら接着剤を流し込んだら指に着いて、親指と人差し指がくっついてしまいました。

これ、剥がすのに結構時間が掛かりました。
100均で5本100円なのにこんなに強力なんで、最近の技術の進歩に改めてビックリです・・・。

というわけで接着剤が充分に乾くのを待って、(余分な釣り糸を切り取ってから)再組立。

望遠鏡に取り付けるとこんな感じ、

覗いてみると

センターはかなりずれているし、なんか糸周りや視野絞りが汚いですがとりあえず導入用の十字線としては機能してくれそうです。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
カテゴリー: 天文関係, 望遠鏡・機材 パーマリンク

プル-セル25mmに十字線を入れる への2件のフィードバック

  1. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、

    この自作ファインダー素晴らしいです。私も参考にしたいです。

    このプルーセル、ケンコーのSEシリーズに付属しているアイピースですね。
    このシリーズの10mmを使っていますが、解像力が抜群でF10のシュミカセの惑星用にぴったりです。

  2. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま
    そうですこのシリーズのプルーセルはビクセンのポルタ式経緯台の望遠鏡に20mmと6.3mmが付属していたりと、とても多く出回っているものです。
    25mmはわりとレアですがファインダー用接眼レンズとしてかなりお奨めな一品ではないかと思います。
    昔の接眼レンズのように視野絞りが単独部品でなく、レンズ鏡筒と一体型であるためアレコレ悩んだあげく貫通穴を開けて外から糸を通す方式に落ち着きました。
    実はダメ元で試作の積もりで試行錯誤しながら作ったのでボロボロな部分もあるのですが、とりあえずは十字線入り接眼レンズとして機能してくれそうでホッとしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください