Seestar S50がやって来た その8(完)

今日も良い天候が続きます。

11月も下旬になりスタパ周辺は冬枯れの状態になりつつあります。

夏のあいだ元気だったコスモスやルドベキアもすっかり種を落として枯れたので今日は刈り払いをしました。

車路の部分がスッキリ、広々といった感じになりました。

夜は月がきれいでした。

さてSeestar-S50のレビューそろそろまとめに入ります。

いろいろ使ってみた結果、とにかくよくできていて、
・難しい設定や、配線、事前準備、星の知識などがほとんど不要である
・非常に小型・軽量でオールインワン、Seestar-S50とスマホ(またはタブレット)だけ
・太陽も月も楽しめる
といったとにかくお手軽に天体観察が始められます。

望遠鏡に詳しくない方、これから電視観察を始めてみようと思う方、そしてそれらの人達が観察会などでより多くの人に手軽に天体観察をしてもらおうと考えているなら、現状ではほぼベストな選択だと思います。

まさに一家に1台Seestar-S50でもよいかも知れません。

と、ここまでは客観的に評価を進めてきたのですが、それではスタパが個人的にSeestar-S50が欲しいかと言うと(以前にも書いたのですが)、それほど食指がうごめくことは無いです。

既に電視観察を始めている知り合い達に聞いても同じ答えが返ってきます。

既に電視観察をしている人達というのは少なくとも15万~30万円くらいの投資をして始めているのですが、ほとんどがSeestar-S50よりCMOSカメラや光学系のグレードが高いです。
(下のセットで約30万円コースですが、以下「従来システム」と言います。)

グレードが高いぶん映し出される画像のクオリティーはかなり高いです。

例えば馬頭星雲付近の撮って出しがこちら、

Seestar-S50だとこちら、

どちらも取りこみ時に若干の軽さ調製をしているのみでRAW画像からの画像処理をしていないのですが、(光学系の違いによる画角の違いは別として)諧調の豊富さや像のなめらかさなどが大きく異なるのがわかると思います。

また出来上がった画像だけの比較では分からないのですが、対象を捉えて画面上である程度綺麗に画像が浮かび上がるまでの時間が大きく異なります。

観察会などではSeestar-S50よりテンポよく次々に天体を見てもらうことが可能です。

Seestar-S50では作品レベルの画像を得るとなるとかなり苦労しそうですが、従来システムだと少し頑張れば何とかなりそうな気がしてきます。

さらに言えばSeestar-S50は完全自動なため雲などで見える星の数が少なくなってしまうと導入ができなくなってしまいますが、従来システムでは最悪手動導入が可能です。

またSeestar-S50では眼視観察が不可能ですが、従来システムはCMOSカメラを接眼レンズに変えれば眼視観察ができます。

マニア視点では「もう少し画像が綺麗で、もう少し自由度が高ければ・・・」といったところでしょうか。

まあ現在進行形で望遠鏡の世界で革命が進んでいると言ってもよい状態なので、その辺のところは時間が解決してくれるかも知れません。

現時点でも8万円ほどでこれだけの機能の製品があること自体充分に凄いことだと思っています。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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Seestar S50がやって来た その8(完) への5件のフィードバック

  1. UTO のコメント:

    某eなんたらスコープに比べると、安価な点がGoodですよね。
    無論、eなんたらにもNikonの技術とか(個人的にはどうでもいい)技術が投入されているので、価値観を見いだせる方には良い選択だろうとは思います。
    で、SeeStarも、なんといいますか、書かれてる事が、自分にも当てはまるといいますか。
    凄い装置なんだけど、AZ-GTiベースでカスタム化してしまうと、同じことができてしまう・・
    でも、初心者には強い味方ではあるので、来年度の写真部の予算で申請はしてみたいと思いますが、賛同してくれる人がいるかなぁ・・
    すでに、AZ-GTiとASI385MCとASI294MCProがあるので・・。難しいですかねー・・
    同じような機材投入には流石に運営から待ったがかかるしなぁ。。
    まあ、部内で賛同が得られるようであれば、導入したい機材です。
    と、いうか、ほんと、ここ数年、コツコツと、AZ-GTi用にあれこれ予算とってたのがなんだったんだ・・と、思えるくらいオールインワン・・・。
    実際、使いこなせてる人がいない中で、SeeStarは面白いんだけど・・
    自分もあんま興味ないので、誰か、メインで見せてやってくれる人がいれば、ってのもありますね。
    でも、自分じゃあ買わない装置なので、予算で買えたらラッキーかなーとも思ってるのもあって、若者巻き込んでダメ元で申請の方向に持ってくかな、、ちと、相談してみようかな。
    集客力考えたら、AZ-GTi+FS60CQの他にもう一台あっても問題無いはず・・・。

  2. スタパオーナー のコメント:

    UTOさま
    全く、まったくその通りなのですね。
    電視観望をこれから始めようと言う人には価格面、性能面どちらから見ても本当に画期的製品だと思うのです。
    でもマニア視点だと・・・・ムムム・・・ と言ったところです。
    でも観察会用に(面倒を見てくれる人がいるなら)もう1台あってもよいですね・・ハハハ

  3. T-Studio のコメント:

    オーナー様

    私もこのジャンルはいろいろと研究していましたが、スマート望遠鏡や、スターセンスなどの導入支援装置は入門用というより「マニアのサブ機」、「施設の備品」にもっとも適しているように感じています。
    大型機材で眼視観望をしていた方がEAAを、となると機材設定やアプリ習得などがかなり大変ですが、このようなオールインワン機材であればとりあえず購入すれば開始できます。施設で天文を、という所でも専用機の組み合わせは管理・操作共専門性が高いので敷居が高くなりますが大分緩和されそうです。

    個人的には一般の方の意識はもう少し別のベクトルにあるように感じています。
    (ブログでも記載しましたが、スマホで撮れればやってみたいというくらいの意識の方が多いように感じています。)

  4. スタパオーナー のコメント:

    S-Studioさま
    おっしゃる通り、全くの素人さん向けといるよりは
     EAAに乗り遅れたけれど、とりあえず始めてみたいという層や
     学校のサークルや、観察会を定期的に行っている同好会などでの活用
    などが最適な使い方と思います。
    まだまだ進化の過程にある機材ですので今後の変化に期待ですね。

  5. 松戸@住人 のコメント:

     Seestar S50のご評価、納得させて頂きました。私は「電子観望」の全くの初心者ですが、手持ちの機材(AZ-GTi、KenkoSE102、CLSフィルター、アプリ:Sharpcap4.0,SynScanPro,Stellarium)にどのようなCMOSカメラを付ければ良いのか迷っています。
     現在はCeres-CとSV305Proを持っていますが、何度かSE102にもセットして「電子観望」を試みましたが、「力不足」で満足できるような成果を得られていません。
     自宅のベランダが狭いので、Ceres-CにSV165をセットしてAZ-GTiで「電子観望」するほうが楽です。また、Nikonの旧カメラとSV305Proの組み合わせでもやってみましたが、NikonZoom80-200ED F2.8の組み合わせがベストでした。
     しかし、世の中にはNewtonyとCeres-Cの組み合わせで「ものすごい成果」を得ている人がいます。懶 面読斎の「X」サイト(https://twitter.com/XmjX0NbnISQyT4L)
     私はこの方がUpしていた12月18日の「かに星雲(M1)」のライブスタック画像を見て「仰天」し、どのように導入されたかを質問しました。答えは「普通に自動経緯台(VIRTUOSO GTi)2スターアライメントでかに星雲を選んだだけです」とのとでした。
     そんなことが可能なのでしょうか?CMOSカメラの選択問題と併せて、ご意見を聞かせて頂けると幸いです。

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