大泉民話巡り-その3-

今年もいよいよあとわずか・・・
皆さんにとってこの一年はどんな年だったでしょうか
年末・年始はペンションにとって稼ぎ時なので、一年をのんびり振り返っている暇はないのですが、とにかく新しい出会いのたくさんあった一年でした。そしてこの出会いの輪がどんどん良い方向に広がって行きそうで、楽しい予感がいっぱいです。

 さて、大泉民話シリーズ、今日は八右衛門出口(はちえもんでぐち)湧水(ゆうすい)です。

昔、大泉村谷戸(やと)に、谷戸八右衛門という人があった。ある日、山に狩に出かけた八右衛門は山火事に遭(あ)った。ふと見ると根本を火に焼かれた大木のこずえに一匹の小さな蛇が巻きついていて、火からのがれてふるえていた。かわいそうに思った八右衛門は、手に持った弓をさしのべて「お前も山火事に追われたのか、おれが助けてやるから、この弓にからまれ」と、やっと火の気のない所まで逃げてきて小蛇を地面に下ろした。小蛇は礼をいうように頭を二、三度さげてどこともなく姿をかくしてしまった。
数日後、八右衛門が昼寝をしていると、彼の枕もとに一匹の大蛇が現れて「先日は命を助けて頂いて、誠に有難う、ついてはそのお礼に、この楊枝(ようじ)を差し上げます。これをあなたの好きな場所につきさすとそこから水が湧きます」といった。あまりのことに驚いた八右衛門は起きあがって、自分の手ににぎっているものをみると正しく、さっき蛇からもらった一本の楊枝であった。八右衛門は、試みにその楊枝を裏山へつきさしてみた。するとたちまちそこからきれいな水の泉が、こんこんと湧きだしていた。

湧水にはそれぞれに伝説や民話のあることが多く、蛇にからんだお話であることが多いようです。八百万(やおろず)の神のうち蛇が水の流れを想像させることから、水の神様として祀るという、昔の日本人としては自然な流れなのだと思います。
この湧水は甲斐大泉駅から甲斐小泉を結ぶ泉ラインの道端にあります。周囲にはほとんど民家もなく、少し神秘的な雰囲気の場所で一見の価値はあるのではないかと思います。
そんな訳で小さな蛇との出会いでも大切にすることにより運が開けることもあるということを肝に銘じて、来年もたくさんの皆さんとの出会いを大切にしてゆきたいと思っています。(ちょっと苦しいまとめでした・・・)

それではどうぞ良いお年をお迎え下さい。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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