今日も朝から雨・・・
雨が続くと外で写真が撮れないので、前振りの部分で写真が載せられなくて
困ります・・・
さて、少しあいだがあきましたが「超々・・」シリーズ 接眼レンズの謎
なぜ接眼レンズは2枚以上のレンズを組み合わせているのか? の続き、
その4です。
接眼レンズを単レンズにすると見かけ視界がレンズの直径で決まるので、
焦点距離を短くしてもレンズ径を小さくしないようにするために、レンズを
2枚組み合わせるのが有効で、組み合わせによる焦点距離の変化はある数式で
計算することができるというお話をこれまでしてきました。
見かけ視界を大きく取るためにレンズを大きくするという手法は直感的に
分かりやすいですが、レンズをより近くで見ることができればレンズを大きく
しなくても、大きく見る(=見かけ視界を大きくする)ことができます。
レンズをのぞき込む眼の位置というのはアイポイントと呼ばれていますが、
レンズごとに一番見かけ視界が広く見える場所があって、どこで見ても
良いというわけではありません。
また、単レンズの場合は焦点距離でアイポイントの位置が一義的に決まって
しまい、見かけ視界を30度以上にできないという制約があります。
さて、前回「その4」で2枚のレンズを組み合わせた場合の間隔による
焦点距離の変化についてのグラフを示しましたが、合わせてバックフォーカス
の変化についてもグラフに示しました。
突然、説明なしに(話の流れに出てこない)バックフォーカスという言葉が
出てきて混乱された方もあるかも知れませんが、このバックフォーカスが
アイポイントの位置に大きく関わってくるのです。
というのはバックフォーカス=アイポイントというわけではないのですが、
バックフォーカスが小さければアイポイントも小さくなって、レンズを
近くから見ることができるという比例関係は成り立ちます。
で、2枚のレンズを組み合わせたときに間隔を変化させることにより、
焦点距離とバックフォーカスがどのように変化するかですが、
上図は前回示した焦点距離10mmのレンズを組み合わせたときのグラフです。
ここでレンズ間隔が6mmのとき合成焦点距離は約7.1mm、バックフォーカスは
約2.9mmと読み取ることができます。
単レンズの場合、焦点距離=バックフォーカスになりますので、上記の組み
合わせでは、焦点距離7.1mmのバックフォーカスを単レンズの半分以下の
2.9mmにすることができ、それに比例してアイポイントの位置を眼レンズに
近づけることができて、結果的に見かけ視界を大きくすることができるという
ことになります。
2枚のレンズの組み合わせで眼側のバックフォーカスが小さくなるという
ことは、視野レンズ側のフロントフォーカスも小さくなります。
実はここにも見かけ視界がさらに広くなる秘密が隠されています。
続く・・・