超入門 望遠鏡光学 (その1) 序

「超々!入門 望遠鏡光学」シリーズは2010年5月~10月までに41回にわたり「スタパオナーの八ヶ岳日記」で連載したものです。

このシリーズはオーナーブログの連載シリーズとしてはかなり大がかりな部類に入ります。

連載から6年が経過し、今読み返すと分かりにくい表現や、説明不足の部分が散見されます。

こちらの「オーナーの部屋」の「蘊蓄(うんちく)コーナー」に微修正でアップしようかと目論んだのですが、そのままではちょっと不親切かと考えました。

「双眼鏡シリーズ」と同様にリメイクしながら新しいサイトへのコンテンツを準備するという手法をとらせて頂くことにしました。

というわけで、新「超入門 望遠鏡光学」の始まりです。

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前シリーズ「超々!入門 望遠鏡光学」は、「超々!」という冠が付くわりには「ちっとも簡単じゃない!」と多方面からお叱りを頂きながらの連載でした。

「ちっとも簡単じゃない!」というお叱りは重々承知していたのですが、少し言い訳をさせて頂くと、そもそも「光学」というのは非常に難しい学問で、そのての本を開くと数式だらけで全部理解できる人というのはごく一部の限られた人なのではないかと思えます。

天文の趣味を長くやっていると一度は「光学」の勉強をしてみようかと思う人が多いのではないかと思うのですが、とても難しくてほとんどの方は挫折するのではないかと思います。

私自身も全くの「光学」素人で、かつてはその勉強に真っ向から挑んだのですが、「光学」の教科書を3ページ読み進めたところでで放り出した口です。

でも難しい数式を用いなくても望遠鏡の性能や収差の説明をすることは出来ないだろうか?

せめて中学レベルの初歩的な数学や物理の知識を理解し、それを応用する形で、少し難しくても原理を理解することが出来たら楽しいじゃないですか?
(理系人間の戯言と笑って頂いても構いませんが・・・)

例えば、少し望遠鏡の知識のある方なら誰もが知っているアクロマートレンズ。

アクロマートレンズ

市販されるほとんどの屈折望遠鏡(粗悪品か超高級品以外)にはアクロマート式と呼ばれる2枚合わせのレンズが使用されています

アクロマートレンズがどのようなものかを何となく説明することはできても、「なぜ、色のにじみを消せるのか?」と聞かれたときに、あなたはどう答えるでしょうか?

「なぜ、色のにじみが消せるのか?」に関して、本当にかみ砕いて誰でも分かるような説明をしている例がないかをいろいろ調べてみたのですが、残念ながら見つけることができませんでした。

そんな望遠鏡の本当に基礎的な(今さら人に聞けないレベルの)疑問を分かりやすく説明できたら良いと考えた訳です。

もちろん光学のプロでもありませんし、(前述のように)真面目に勉強したこともありませんから間違った話をしてしまうかも知れないのですが、あたらずしも遠からずくらいで、分かった気になるような説明ができればよいかな?という感じで進めたいと思います。

倍率や色収差のことなどを真剣に考えなければならなくなってときに(ほとんどの方はそんな日が来ることはないでしょうが)、読んで頂けると理解の助けになれば良いと思います。

双眼鏡シリーズほどではないですが少し長いシリーズになりますのでよろしくお付き合い下さい。

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