春の星座シリーズ -その12- 星空の見立て

春の星座シリーズ、星座の解説は一応終了しているのですが、

星空の見立てという観点で星をつなげる目印を紹介しておきます。

春の星空の見立てと言えば「春の大曲線」ですね。

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北斗七星の柄の部分のカーブを緩やかに伸ばしうしかい座のアルク
トゥールス、おとめ座のスピカ、からす座の四辺形をつなげた大きな
曲線が春の大曲線です。

からす座まで含めないことも多いですが個人的にはからす座までを
含めて春の大曲線と呼びたいと思っています。

北斗七星が高く昇る4月から5月の夜空に大空を袈裟懸けに横切る
大曲線はとてもダイナミックです。

この大曲線、早春の頃には南東の地平線近くから北東の中天に向けて
銀河鉄道の発車軌道のように放物線に近い形が描かれます。

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私は「春の放物線」と呼ぶことにしています。

また6月くらいになるとこの大曲線が西の空にアーチを作ります。

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これをくぐれば夏が来るといった感じなので「初夏のアーチ」と呼ぶ
ことにしています。

さて大曲線以外にも(大曲線の部品の一部である)アルクトゥールスと
スピカ、そしてしし座の尻尾にあたる2等星のデネボラを結んだ大きな
三角を「春の大三角」と呼んでいます。

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夏の大三角、冬の大三角がいずれも全てが1等星なので、2等星を使う
春の大三角は少し地味な気もしますが、周りにあまり明るい星が無い
ことや、きれいな正三角形に近いこと、夏や冬のそれより大きいこと
などから、充分堂々とした「大三角」だと思います。

さてこの春の大三角にさらにりょうけん座のα星である3等星のコル
カロリを加えてダイヤ形に近い四辺形につなげたのが「春のダイヤ」、
またの名を「乙女のダイヤ」と呼んでいます。

このダイヤ一角がおとめ座のスピカであることや、のかなり多くの
部分をおとめ座が占めていることもありこの名前で呼ばれているよう
です。

3等星を使うので都会では見つけられないかも知れないのですが、
明るい星の少ない春ならではの見立てですね。

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