最近の天文の入門書を見ると、天体写真の撮り方でガイド撮影について詳しく
解説しているものが意外に少ないのに驚きました。
固定撮影の次は、いきなり赤道儀による自動ガイドというのが今流のようで、
何も苦労して手動ガイドはないだろう・・ということのようです。
そんなわけで、経緯台でガイド撮影する方法を少し詳しく説明しようと思います。
今日は経緯台で写真を撮るための装備について紹介します。
まず、望遠鏡にカメラを載せられるようにします。
いろいろな方法があると思いますが、今回はビクセンのPOLTA A80Mfの鏡筒
バンドに細工をしてカメラ用自由雲台を取り付けました。
POLTAの鏡筒バンドには架台に取り付けるのとは反対側にカメラネジの雌ネジが
予め切ってあります。
ここに1/4インチの皿ネジ(25mmくらい)をねじ込んで、さらにそれに雲台を
ねじ込みます。(写真では手持ちのネジが長すぎたので余計な部品が一つ
ついています。)
これにカメラを取り付けると・・
今回は鏡筒バンドに直接雲台を取付ましたが、本当は別に鏡筒バンドを準備
して、それに雲台を取り付けたほうが自由度が高くて便利です。
カメラにはリモコンレリーズとアングルファインダーを取り付けてあります。
(アングルファインダー:ファインダーを横や上からのぞけるようにする部品)
鏡筒には筒先側に巻き付けウエイトを付けてあります。
カメラのレンズより筒先が出ていると、筒先が写り込んでしまいますので、
できるだけ筒先が前に出ないように、筒先を重くしています。
できれば短焦点の鏡筒を使い、カメラのレンズより鏡筒が前に出ないような
工夫をした方がよいです。
星を正確に追尾するためには、望遠鏡の接眼レンズにレチクル(十字線)の
入ったものを使う必要があります。
左はビクセンのガイドアダプターGA-2(かなりの旧モデルで現状はGA-4が流通
しています)です。
天頂ミラーがハーフミラーになっていて赤いレチクルが浮かび上がり暗い星まで
ガイド星として使えるのと、何重にも輪があるのでカメラレンズの焦点距離に
よるガイド精度の目安になって便利です。(少し高価ですが・・・)
右は接眼レンズの中に十字線が組み込まれたタイプで、のぞき込むと細い十字線
が見えます。
真っ暗な空だと十字線も見えなくなるので、筒先から弱い明かりを入れて、
視野全体を少し明るくしないと使えないことが多いです。(明視野照明方式
といいます。)
天頂ミラーと組み合わせて楽な姿勢で、微動装置が操作できるようにして
おきます。
POLTAを使用される場合は、少し面倒でも以前「ポルタを快適に使う」で紹介した、
微動ハンドルの向きの調整をしておくと良いと思います。
続く・・・