組立天体望遠鏡で遊ぶ2 -組立編ー

本節では組立望遠鏡の組み立てを詳しく解説します。

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組望の箱を開けると中には写真のようなものが入っています。

組立始める前に部品がちゃんと揃っているか、組立手順はどんなふうかを
取説でよく確かめておいて下さい。

取説を読まないで作り始めてしまうと、後から部品の付け忘れがあったりして
却って手間取ったり、シールがきれいに剥がれなかったりして困ることがあり
ますので注意が必要です。

箱の右上のビニールにくるまれた中には下の写真のようにレンズが入っています。

 

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大きいのが対物レンズ、小さい3つを組み合わせて接眼レンズを作ります。
(現在は改良され黒い輪ゴムは省略されています。)

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レンズは袋から出してしまうと素手では気楽に触れることができません。
(手の脂で指紋が着いてきれいにするのがやっかいになります。)

ぜひ袋に入っているうちに、いろいろいじくり回してそれぞれのレンズが
どんな形状をしているか確かめておいて下さい。

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レンズを袋から出すときや出した後は、必ず写真のようにレンズの側面を
持ってください。

写真は対物レンズですが、良く見ると2枚のレンズが貼り合わされているのが
分かると思います。

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接眼レンズを袋から出すときは写真のように袋を逆さまにして紙の上などに
ころがし出すと良いです。
さて、次はいよいよ組望の組立開始です。

基本的には組立説明書を良く見ながら作れば問題ないのですが、ここでは
間違いやすい点や組み立てる上でのコツなどを紹介して行きます。

まずはじめに接眼部の組立です。

小さなレンズ3枚を接眼部の細い部分に組み込みます。

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この時、片凹(片側が平らで、片側がへこんだ)レンズと両凸(両側がふくらんだ)
レンズを写真のように組み合わせて持って接眼部に置くと組み立てやすいです。

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いちばん眼に近い(写真では一番右側の)片凸レンズは2番目の両凸レンズに
触れそうに近くなります。

3枚のレンズの左側には視野絞りというリング状の部品が配置されます。
小さな部品なので取付忘れないようにしましょう。

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この後、「目当て」という部品をレンズの外側に射し込んで接眼筒を組み上げる
のですが、その前に一度写真のように接眼部をのぞき込んで明るい方に向けて
みてください。

接眼レンズは強拡大の虫眼鏡なので、視野絞りやレンズ自体にホコリが付いて
いるととても目立ちます。

接眼筒を組み上げる前に必ず確認しておきましょう。(完全に組み上げてから
だとバラして掃除するのが面倒です。経験上何台かに一台はホコリがまぎれ
込むのでぜひこの時点で確認しておいてください。)

接眼レンズにホコリが無いのを確認したら、「目当て」を接眼筒に被せます。

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接眼筒側には縦に2本の出っぱりがあり、目当て側にはこれに対応するように
溝がありますので、この溝に出っぱりがはまるように目当てを被せます。

嵌め合いが少しきついので、被せはじめは少し力を入れて「クィ!」という感じで
はめ込んでくさい。

これで接眼筒部分はできあがりです。

次に鏡筒本体に対物レンズを組み付けるのですが、その前に対物レンズが
ガタ付かないように対物レンズにO(オー)リングをはめ込みます。

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実はこの作業が組望を作るうえで一番の難関かも知れません。

「補助台座」という丸い穴の開いた四角いボール紙に対物レンズをはめ込んで
から(説明書に書いてある絵のように)、Oリングを両手の親指と人差し指で
広げるように持って、対物レンズにはめ込むのが一番確実です。

Oリングがレンズにうまく掛かったら、鏡筒本体にレンズを組み付けます。

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Oリングが鏡筒本体の溝にうまくはまるようにレンズを立てます。

現在はこのOリングの行程は省略できるように改良されていますので、
対物レンズの表裏を間違えないように筒先の溝に立てかければOKです。

この時、レンズには裏表があるので十分注意してください。(横から見て平らな
ほうが接眼側、ふくらんだほうが外側に向くようにします。)

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鏡筒本体の中央部に三脚ナットをはめ込み、写真右側のネジ部に接眼筒の
ネジ部がかみ合うように置きます。

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鏡筒本体の残り半分を上から合体させますが、この時対物レンズ側を合わせ
ながらはめ込むとすんなり組み合わせることができます。

鏡筒がばらけないように鏡筒押さえのリングを接眼部側から押し込みます。

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次に対物レンズ側にも鏡筒押さえをはめ込みます。

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最後にナット押さえのリングを鏡筒中央部の三脚ナットのまわりにはめ込みます。

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フ~ッ・・・ これで望遠鏡としての形はできあがりです。

でもまだ、シールが5枚・・・

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これ、貼り付けるのにちょっとしたコツがあります。
で望遠鏡としては形ができあがったのですが、鏡筒本体は竹を縦に二つに
割ったような形の半円筒形を合わせてあるだけです。

このため強度的にも弱いですし、合わせ目から光が漏れて見え味が悪化する
心配があります。

組望ではこの合わせ目を塞ぐため、3枚の遮光テープを貼り付けるようになって
います。

3枚とも長さが違うので、どこに後の長さのテープを貼るか確かめてから
貼り付けます。

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また、貼り付ける順番は失敗の少ない一番短い物から始めると練習になって
全体をうまく貼り付けられます。

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貼り付けたら空気が抜けるよう、しっかり擦っておくと良いです。

次に2枚の白い「のり付きシール」を貼り付けますが、こちらも幅が異なるので、
どちらがどのように付くのか事前に確認をしておいて下さい。

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また、貼り付ける前に格好いい絵や名前などを書いておけば、世界でたった
一台だけの望遠鏡ができあがります。

さてこののり付きシールの張り方にはコツが入ります。

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なにも考えないで、いきなり貼り付けると必ずと言ってよいくらい上のように
曲がります。

貼り直そうとしてシールをはがすとヨレヨレになって汚くなってしまうので
できるだけ一発できれいに貼るようにする必要があります。

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きれいに貼るコツは、まず写真のように組望をテーブルに対して直角に置き
ます。(紙などをおいて直角を確かめると良いです。)

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次にのり付きシールを両手で持って(できるだけ上の方から見て)、シールが
テーブルと平行になるようにしながら、静かに鏡筒の上におろして行きます。

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鏡筒にシールが付いたら、空気が入らないように少しずつシールを押さえて
行きます。

 

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このくらいのズレで貼り付けられれば「合格」だと思います。

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さあ、これで組立天体望遠鏡の完成です! パチ、パチ、パチ・・・

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