夏の星座 -その4- へびつかい座+へび座

へびつかい座はさそり座のほぼ真上に位置して、頭にあたる

ラースアルハゲー(へびを持つ者の頭の意)はヘルクレス座の
頭の星(ラースアルケチー:ひざまずく者の頭)に隣接しています。

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へび座は蛇遣いが持つヘビ(大蛇)で、星座絵では蛇遣いに巻き付く
ようにして蛇遣いの左右に伸びています。

あくまでも蛇遣いの持ち物なので、わざわざへび座として独立させ
なくても良さそうなものなのですが、ご丁寧にもへびつかい座を
はさんで右側をへび座頭部、左側をへび座尾部の二つに分けて、
その二つでへび座と呼んでいます。

へびつかい座もへび座もそれぞれ単独ではそれほど大きな星座では
ありません。

でもこの二つを一つにすると、全天で一番面積の大きなうみへび座より
2割も大きくなってしまうのです。

星座をあまり大きくしてしまうと、空での位置の目安となる意味が
薄れてしまうので分割して星座を作ったというのが本当の所のようです。

さてへびつかい座は見世物小屋のおやじかと誤解されがちですが、
神話ではギリシアで一番のアスクレピオスというお医者さんという
ことになっています。

なぜ医者がヘビを持っているのかというと、古代ギリシアでは
ヘビは神の化身であり、不死の象徴でもあったとされています。

ヘビの猛毒を使いこなしてこそ名医であると考えられたようです。

アスクレピオスはとにかく腕の良い名医で、死者をも蘇らせることが
できたため、世の中の秩序を乱す者であると判断され、神が天に上げ
星座にしたのだそうです。

ところで不死の象徴で医学と深い関わりがあるという伝説は現代にも
伝わっていて、なんと日本医師会のロゴマークもヘビをモチーフにした
ものになっています。

日本のお医者さんたちはアスクレピオスの末弟にあたるのでしょうかね・・・

へびつかい座には7つもM天体の球状星団があり、球状星団銀座
とも言えます。(9,10,12,14,19,62,107)

この7つの球状星団の中で見応えがあるのはM10、12、14の三つです。

まずはM10。

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次はM12。

130804_M012_130710

そしてM14。

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見比べるとそれぞれ個性があっておもしろいです。

でもこの付近で一番見応えのある球状星団はへび座(頭部)にある
M5です。

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M5は最も美しいと言われているヘルクレス座のM13に勝るとも劣らない
美しい球状星団です。

条件のよいときに見るM5は個人的にはM13よりもきれいだと思います。

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