春の星座シリーズ -その3- しし座

さて春の星座シリーズを進めます。

かに座、うみへび座と来たら、やはりしし座ですネ。

勇者ヘラクレスに退治されてしまう「けなげ」三兄弟の1匹です。

しし座は星座の形自体が名作の部類に入る「獅子」が連想できる形の整った
星座です。

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黄道12星座(お誕生日の星座)の一つでもありますし、2001年に大出現をした
「しし座流星群」でも有名ですので、知らない方は少ないと思います。

「しし座流星群」の大出現は今となっては伝説になりつつあり、しばらくは
大出現はないと予想されているのですが、未だに11月のその時期になると
流星群が見たいというゲストがスタパには来られるほどです。

獅子のたてがみ当たる部分の星たちは、はてなマークを裏返したような並びを
しています。

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日本ではこの並びを「といかけ星」と呼んでいる地方があるそうです。

「はてな」だから「といかけ」と思ったのですが実は「樋掛け」が正解で
雨樋を掛ける金具の形だからそう呼ばれているそうです。

またこの並びを草刈り鎌に見立てて獅子の大鎌(おおがま)と呼ぶこともあります。

わりと目立つ並びなので、ぜひ夜空で見つけてください。

しし座にはたくさんの系外銀河があります。

数ではおとめ座に負けるのですが見応えという意味ではしし座の方が上なのでは
ないかと思います。

しし座の系外銀河と言えばなんといってもM65-M66-NGC3628のトリオです。

低倍率の望遠鏡ですと3つを同時に見ることができるのですが、スタパの40cm
ですとM65-M66が同時に見えます。

M065_66_130415

左がM65、右がM66です。

肉眼ではここまではっきりとはわかりませんが、微妙に形が違うのがわかります。

せっかくですのでNGC3628もご覧ください。

N3628_130305

条件の良いときには中央の暗黒帯を見ることができます。

しし座にはもう一組、M95-M96-M105という系外トリオがあります。

M65-66よりも少し離れているのでかなり低倍率でないと一望ができないのと
個々の銀河が暗めなので、少しインパクトに欠けます。

でもM105はそれ自体が2個の系外銀河を従えているので、見て楽しい対象です。

M105_130305

系外銀河というのは、言ってみれば遠くにある天の川のような存在なので、
天の川が見えるような環境でないと望遠鏡で見てもよく見えないものです。

どんなに高性能の望遠鏡を使っても、空が明るい都会の空では見ることが
できません。

暗くて澄んだ空と高性能(=大口径)の望遠鏡があって初めてよく見えるように
なるので、天文ファンの間では系外銀河を見るというのはとても贅沢な
楽しみでもあります。

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