春の星座シリーズ -その9- りょうけん座

春の星座シリーズが続きます。

だいぶ残り少なくなってマイナーな星座になって行きますが、今日は
「りょうけん座」です。

りょうけん座は17世紀の後半にドイツのヘベリウスが当時おおぐま座の一部
だった部分に作った新しい星座です。

このため特に神話やエピソードはありませんが、星座絵にはうしかい座が
連れている2匹の犬の絵が描かれていて、熊を追い立てるような辻褄の合った
ものになっています。

130514CVn

星座絵には確かに2匹の犬が描かれているのですが、通常の星座線は
α星(コルカロリ)とβ星を結ぶ線しか描いていなくて、ずっと以前から
どうしてなのかなぁ・・・と違和感があったのですが、良く晴れた日に
このあたりを見上げるとちゃんと2頭が平行に並んでいるのを見つける
ことができます。

2匹目の二つの星は5等星くらいのとても暗い星なので都会で見つけるのは
難しいですが、星がよく見えるところでは周りに明るい方が少ないので
意外によく目立ちます。

りょうけん座の星座絵はおそらくこの2本の平行線を2頭の犬に見立てたの
だと思います。

さてりょうけん座は新しい星座ということもあり神話もなく、地味な星座なの
ですが、見所は意外に多いです。

α星のコルカロリ自体がなかなかきれいな二重星です。

それ以外にも有名な系外銀河M51(子持ち銀河)があります。

130514M051_13041

スタパでは銀河の渦巻きが見える数少ない天体の一つです。
(この写真のようにはっきり渦がわかるわけではないのですが・・・)

ただおおぐま座のη星(ηUMa)から探す方がわかりやすいので、あまり
りょうけん座という気がしないです。

また球状星団M3もお勧めの天体の一つです。

130514M003_130411

ヘルクレス座のM13が見頃になるまでのあいだ春の星空最大級の球状星団
です。

M13ほどではないですが充分球状星団のブツブツ感を味わうことができます。

ただM3もうしかい座のアルクトゥールスから探すことが多いので、あまり
りょうけん座という感じがしないです。

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