秋の星座シリーズ -その13- ペルセウス座

秋の星座シリーズ、今日はペルセウス座です。

ペルセウス座の名前は星座そのものよりも最近では夏の活発な流星群の名前と
して有名になっているような気がします。

最近(この10年ぐらい)はペルセウス座流星群の極大日が近くなると必ずと
言ってよいほどマスコミが騒ぐのでペルセウス座が夏の星座だと思っている
人も多いように思えます。

実際には秋の星座の中でも一番最後のほうに昇ってくる晩秋の星座で、
流星群の頃は夜中にならないと昇ってきません。

ペルセウス座はこれまでに紹介している秋の星座の古代エチオピア絵巻の
一角をなす星座です。

絵巻の中ではティアマトウ(くじら座)の生け贄に捧げられている
アンドロメダ姫を救うべく、天馬ペガススに跨り颯爽と登場するシーンが
描かれているのですが、実はそこにいたるまでにはたいへんな紆余曲折が
あって、ペルセウスの物語だけで映画があるほどのボリュームですので
ここでは詳しく語らないことにします。

121009Per

ペルセウス座はカシオペヤ座とおうし座のプレアデス星団(M45)の間に
あります。

明るい星はあまりなくα星(アルゲニブ)とβ星(アルゴル)が2等星である
以外は3等星以下の星で形作られているので、都会では見付けるのが難しいと
思います。

形も複雑で実際の夜空では上の写真のように結ぶのはかなり難しいです。

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感覚的にはこんなふうにパラボラアンテナか弓のようなイメージで星座の形を
認識した方が分かりやすいです。

ペルセウス座のお奨め天体と言えば何と言っても二重星団(h-χ:エイチー
カイ)です。

カシオペヤ座とペルセウス座の境界近くにあるたいへん接近した二つの散開星団
です。

望遠鏡が発明される以前から二つの星として知られていて、星の符号である
「h」と「χ」が付けられていたため、現在でもこの符号で呼ばれています。

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50倍以下くらいの倍率で見ると二つの星団が同一視野に見えるのでとても
賑やかで、まさに宝石箱をひっくり返したような眺めを楽しめます。

細かく見ると若い星の集まりである同じ散開星団でも微妙に星の集まり加減や
明るさの分布といった個性の違いが楽しめて面白いです。

またこのあたりは天の川の中なので、たくさんの星があって双眼鏡で見ても
充分に楽しめます。

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望遠鏡よりも倍率の低い双眼鏡では広い範囲を見ることができるので二重星団が
宝石が付いたティアラかチョーカーのような星列に見えますし、その周囲には
たくさんのアクセサリーが並べられているように見えて面白いです。

またα星のアルゲニブ付近にもたくさんの星が密集している部分があり双眼鏡で
見るとととても賑やかで楽しめます。

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星団と言うには広がり過ぎている感がありますが、これは地球に近いところに
ある散開星団だそうで、Mel(メロット)20という名前で呼ばれています。

天の川が見えるような条件の時にはぜひ双眼鏡で見ていただきたいエリアです。

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