冬の星座シリーズ -その9- きりん座

きりん座はおおよそぎょしゃ座のカペラのあたりから北極星の間にあるとても
大きな星座です。

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大きな星座にわりと共通した特徴として明るい星が少ないというのがあるの
ですが、きりん座は一番明るくても4等星というとても影の薄い星座です。

きりん座という星座があることさえ知らないかたが多いですし、南半球に行か
ないと見えないと思っている人も多いです。

相当の天文ファンでもきりん座を実際の星空で線で結べない人が多いです。
(私もごく最近ようやく夜空できりんを見付けられるようになりました。)

歴史も浅く、17世紀になって周りの星座の穴埋めに作られたような星座でも
あります。

もともとは旧約聖書に登場するラクダにちなんだラクダ座として作られた
そうなのですが、星座名をラテン語で登録したときにスペルの近いキリンに
間違えて登録されてしまったそうです。

当時はルネッサンス期で珍しい生き物がドンドン星座になっていった時期でも
あるので、いつの間にかきりん座で定着してしまったとのことです。

いくら影が薄いと言っても名前まで変わってしまうとは何とも可哀相な気が
します。

影が薄いのには天文ファンが喜ぶような目立つ天体が無いのも理由になる
でしょう。

ごく一部のマニアが喜ぶレベルのNGCナンバーの系外銀河はありますが、
大きな星座なのに望遠鏡で見て楽しい天体はほとんどありません。

強いて言えば双眼鏡で楽しめる星列としてキリンの前足と後足の間にある
ケンブルカスケード(ケンブルさんの小滝)があります。

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微光星がチョロチョロ流れ出す湧き水のようにたくさん並んだ美しい星列です。

微光星が多いのできれいな星空のもとでないと楽しめませんが・・・

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