電子観望の画像処理プロセスを見直す(GraXPertを使う) その2

今日もところどころ薄雲はあるもののまあまあ良い天気です

月はとても明るく虹の入り江が綺麗です

画像処理プロセスの見直しの続きです

GraXPert(グラックスパート)というフリーウエアのアプリを使えばフィラット補正もしてくれるよという情報を頂いたので早速こちらも調べてみました

こちらのサイトでOSに合わせたアプリがダウンロードできます

調べているうちに最近になってAIを使って画像のノイズを軽減できるようにバージョンアップしたらしいという情報も入ってきました

使い方はそれほど難しくないようなのですが、日本語での情報がかなり少ない状態です

以下備忘録として使い方を簡単に記録しておきます

まずはダウンロード後インストールをしようとすると何がしか安全じゃ無いかも知れないというアラートが出ますが構わずインストールします

インストールが終わりアプリを立ち上げると、とてもシンプルなこんな画面

1~5のプロセスの順で処理を進めます

各プロセスの右側のある「+」マークをクリックすると各プロセスの設定ができます

1 Loading では「Load Image」ボタンをクリックすると処理したい画像の読み込みができます

2 Crop では読み込んだ画像の処理範囲を切り取ります
スタックなどでずれた部分は切り落とさないとおかしな結果になります

3 Background Extracthion ではフラット補正の処理をします(詳細後述)

4 Denoising ではノイズ除去の処理をします(詳細後述)

5 Saving では処理データの保存をしますが幾つかの保存方式があります

とりあえず4月1日に撮影したポンブルック彗星の画像を取り込んでみました

ほとんど何が写っているか見えませんが、ウインドウ中央下端の「No Stretch」のスイッチを切り替えると画像処理で強調処理した状態に画像を見ることができます

ここでは「20%Bg,3sigma」を選択しています

次に「Crop」処理です

黄色い枠の中に画像が収まるように左上と右下のスライダーを調整して「Apply crop」をクリックします

次に「Background Extracthion」処理

幾つか手法(Method)があるようですがとりあえずデフォルトの「RBF」のまま「Create Grid」をクリックすると上のように背景の均一性を確保するための計算点が黄色い□で表示されます

目的の天体の上に□があるとよい結果が得られないので□を右クリックで消します

背景部分に□が足りない場合は左クリックで追加します(かなり適当でも大丈夫そうです)

準備ができたら「Calculate Background」ボタンを押します

処理が終わったら「Reset Sample Points」をクリックして黄色い□を消すとフラット補正ができています

ウインドウ中央上端の「Gradient-Corrected」を切り替えると・・

元画像(Original)の画像を見ることができます

また「Background」を選択すればフラット補正をするマスクが表示されます

次に「Denoising」ノイズ除去の処理です

処理を始める前にウインドウ右端の「ADVANCED」をクリックしてメニューを開き
Denoising AI-Modelで「2.0.0」を選択してから Denoisingの「Denoise Image」をクリックします

すると選択した「AIモデルがないのでダウンロードするかい?」というアラートが出ます

初回だけダウンロードが必要です(スタパの環境ではかなり時間が掛かりました)

別のAIモデルを選ぶとそれぞれにダウンロードが必要なので注意が必要です

ノイズ除去処理をした結果がこちら、かなりマシンパワーを必要とするようで、第9世代のCore7i/32GB載せのPCで2分以上掛かりました

最新の高性能マシンなら4分の1くらいで終わるかも知れません

最終的に「16bit TIF」で保存して仕上げたのがこちら

以前普通に処理してアップした画像がこちら

あまり画像処理に時間をかけたくない派なんですが、これをみるとひと手間かける価値はありそうです

 

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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