秋の星座シリーズ -その16- おひつじ座

星座シリーズ今日は「おひつじ座」です。

おひつじ座は秋の星座の中でも一番最後に昇ってきます。

11月の中旬でも南中が21時過ぎになりますので、秋の星座というより
初冬の星座といっても良いくらいです。

お誕生日の星座としては有名で、うお座とおうし座の間にあります。

121117Ari

α星は2等星ですので、わりと目を引きますが、秋の星座らしく(?)星座の
星の並びから星座名である「おひつじ」の姿をイメージするのは難しいです。

これまでに紹介した秋の星座達は古代エチオピア物語の星座と、「水」に
ちなんだ星座に分類されるものが多いですが、おひつじ座はこのどちらにも
属しません。

でもこの金色のおひつじだけでかなりのボリュームのエピソードがあって
調べてみると面白いです。

このオヒツジ、ギリシア神話では空を飛ぶ金色の羊で、それを手にした者は
天下が取れると言われるほど大切な秘宝だったそうです。

今から2~3000年前に星座が確立されころ、空の座標の基準点となる春分点に
一番大切なおひつじ座を配置したと考えて良さそうです。

一年の始まりとなる重要な場所におひつじ座があるので、星占いでは今でも
一番目の星座になっているわけです。

現在春分点は地球の歳差運動でお隣のうお座に移動してしまっているので、
天文学的にはそれほど重要な位置を占めているわけではないのに、星占いの
世界では未だにこの星座が一番目になっているというのは、どうも納得が
行かないところです・・・・。

おひつじ座そのものは黄道十二星座の一番初めの星座なので知らない人は
いないと思うのですが、実際の星空では明るい星がないですし、形も
オヒツジには見えませんし、たどりにくいので、わりとマイナーな存在です。

でもα星(ハマル)付近を双眼鏡で見ると・・・

111130_2828Ariα

ハマルを起点に釣り鐘形の星の並びを見付けることができます。

左下のほうに尻尾のように延びる星列まで含めてみると、ロウソクを乗せて
持つタイプの燭台に見えてきます。

望遠鏡でβ星のすぐ下のγ星(メルサティム)を見るととても非常にきれいな
等光2重星(同じ明るさの星が接近して見える二重星)です。

離角が7.8秒とかなり近いので100倍くらいの倍率が必要ですが、雪だるまの
ように双子のような白い星が並んでいてとてもきれいです。

望遠鏡を使う機会があればぜひ見ていただきたい二重星のひとつです。

ちなみにこの星、望遠鏡を使って発見された最初の二重星といわれる歴史的にも
意味のある星だそうです。

さてさて秋の星座の紹介をしてきましたが、このシリーズは今回で終了
させて頂きます。

まだマイナーな星座がいくつか残っているのですが、また別の機会に
マイナー星座シリーズとして紹介したいと思い ます。

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