今日は久々といった感じで気持ちのよい青空が広がりました。
まだまだ暑いですが、そこここに秋の色が濃くなり始めています。
さて「双眼鏡シリーズ」です。
9.双眼鏡で楽しむ星巡り
9-5.たて座周辺
たて座はわし座といて座の中間に位置するのですが、天の川に埋もれて、めぼしい星もないことから見つけづらい星座と言われています。
でも実はこれあることに気づくととても素晴らしい星座であることが分かります。
ABK018 たて座 M11とたれパンダ星列 分類:メシエ天体、星列
たて座本体の説明に入る前にまずは、面白い星の配列と、メジャーM天体の一石二鳥を紹介します。
下はわし座の写真です。
この配列から鷲を想像するのは少し難しいかも知れないのですが、画面下側がくちばしで左右に羽根を広げて下に向かって急降下している絵を想像して頂ければ良いと思います。
で、ここで紹介するのは画面右端の丸で囲んだ部分です。
どこかで見た形だとよくよく考えていたら、しばらく前にはやった「たれパンダ」の輪郭にちょっと似ているのではないかと思い当たりました。
この「たれパンダ」、星座の区切りで行くと、左半分はわし座、右側はたて座に二分されてしまいます。
わし座の向かって右側の羽根の先にたれパンダがぶら下がっていると気付くと双眼鏡をのぞきながら思わずニヤニヤしてしまいます・・・(^_^;)
しかもこの「たれパンダ」、向かって右側の垂れ下がったほっぺたの先(この位置はたて座ですが)にはM11という散開星団があります。
双眼鏡で見ても星雲状に見える程度ですが、大きな望遠鏡で見るとため息が出るほど美しい散開星団です。
ぜひたくさんのかたに見ていただきたい天体の一つだと思っているのですが、これで「たれパンダ」が見つかれば簡単にM11も見つかるようになると思います。(^_^)
ABK019 たて座 天の川の星座「たて座」 分類:星座
たて座をあらわす星の並びを調べると先ほどの「たれパンダ星列」の右側の星からいて座方向に逆「く」の字に3つの星が連なって「盾」ということになっています。
でも天の川に埋もれた(4~5等星の)この逆くの字を見つけるのはかなり難しいですし、見つけられたところでそれがどうしたら盾に見えるのか個人的にはかなり長いこと謎でした。
でもわりと最近になってある方から「たて座というのは全天88星座のうち唯一天の川で形作られる星座なのだよ」と教えを頂きました。
確かにそういった見方で天の川がよく見る日にたて座を見ると・・・
先の「たれパンダ星列」が「盾」上端のエッジになっていて、たて座の星座絵近い天の川の光芒の形が肉眼でも見えてきます。
双眼鏡では10°くらいの実視界がないと全貌が捉えにくいので、よほど広視界の双眼鏡(テレコンビノなどのガリレオ式系)でないと分かりづらいです。
アメリカの先住民族は眼がもの凄く良い人が多く、星空もとてもきれいだったので、星をつないで星座を作るという風習が無く、天の川の濃淡で星座を作っていたといわれています。
現在の星座では「たて座」が唯一、その風習を受け継いだ形になっているわけです。