今日はまたまた一日曇り空・・・・
全くこの夏の天候には困ったものです。
さて今夜もめげずに「ゼロ星」シリーズ、第3章の続きです。
第3章 星空観察の作法
3-3. 星空観察のエチケット
3-3-1. まぶしいライトは御法度です
前節で解説したように満天の星空や暗い天体を見るためには十分な時間をかけて眼を暗順応させてやらなければいけません。
せっかく暗順応ができても、車のヘッドライトや至近距離でLEDライトなどの光を浴びてしまうと明順応は一瞬のうちに完了してしまうので、星を見る者にとって観察中の明るい光はとても迷惑なものなのです。
星空観察のときに使うライトは次のような特性のものを使用すると良いです。
・できるだけ明るくないもの(スマホのライトは明るすぎます)
・かつ明るさを調節できるもの
・眼を刺激しない赤色光と白色光を切り替えられるとなお良い
・上記機能に加え光が広がりすぎず、真横から見て光が見えないものがよい
ヘッドライトタイプのものでこのような機能の製品もあるのですが、頭に付けて使用するのは止めましょう。
頭に付けるとライトが前を向くので、自分はまぶしくなく良く見えるのですが、周りにいる人は迷惑するからです。
赤い光でも直接眼に入ればかなりまぶしくて困ります。
ライトを使用するときはできるだけ低い位置で真下に向け足下のみ(または見たい書類やカメラのみ)を照らすようにしましょう。
間違っても人に向けて照らしたり、近くで天体写真を撮っているカメラに向けて照らすことのないように注意しましょう。
どうしても必要なとき以外は点灯しないというくらいの心構えで使用して下さい。
車で星見に出かけるとき意外に困るのが車に付いている小さなランプ類です。
ドアを明ければルームランプが点灯してしまうし、キーのロック・アンロックで車幅灯などが点灯したり点滅します。
たったこれだけでも星を見ている人にはもの凄く迷惑です。
星見モードに入ったらルームランプは強制OFF、キーの操作はできるだけしないという配慮が必要になります。
3-3-2. 夜はお静かに
星を見る時刻は夜で、しかも深夜ほど良く見えるようになるというのがセオリーです。
「夜は静かにする」なんてことは当然のこととして誰でも頭ではわかっていると思います。
でもいざ満天の星空のもとに出るとつい「わ~ッ!」と歓声を上げてしまいますし、明るい流星が飛んだときなども「すっげ~!!!」と叫んでしまうのは人情かもしれません。
近くに仲間や同様に星を見る人達がいると集団意識も加わりドンドンテンションが上がって行きます。
ても深夜、近隣に眠りについている人がいたら、これは迷惑なんて話で済まなくなります。
例えば、もしもテントサイトなどで近くに明日は山登りで早朝に起床しなければならないのに興奮して眠りに就けない人がいたとしたら、近くを歩く音だけでも気になってそのせいで眠れないと言われます。
睡眠不足のせいで事故が起こってしまったら、悪いのは全て星を見ていた人達のせいになり、一生恨まれることになります。
周囲が静かな田舎や山奥では笑い声や歓声は100mくらい離れていても普通に聞こえます。
夜中に大声を出していると、少人数なら凶人がいると、大人数なら共謀罪を企む集団がいると通報されかねない世の中です。
それが昂じれば星を見る人々のイメージが悪くなって行くことになります。
この先も心安らかに星空を楽しみたいと考えている全ての方のために、できる限り静かに星を見ることを心がけて下さい。
また灯りのところでの話と同様、車で出かけた場合ドアの開閉では相当大きな音がします。
開閉時にご丁寧に警告音が出るタイプの車種もあります。
周囲に星を見ない人や、民家がある場合にはドアの開閉やエンジンの起動は最小限を心がける必要があるのです。
(続く)