今日は曇りのち(夜になって)晴れでした。
そろそろ梅雨明けですかね・・・・
さてさて星景写真入門が続きます。
4. 露光量の調節
デジカメで写真を撮るということは、デジカメの受光素子に光を当て(露光し)て、それを記録するということです。
暗い星でもたくさん光を蓄積してあげれば写すことができます。
露光量を決めるのにカメラでは次の3つの要素があります。
1) シャッタースピード
2) F値
3) ISO感度
以下それぞれについて詳しく説明します。
4-1. シャッタースピード(露光時間)
今さら説明の必要もないと思いますが、シャッタースピードは受光素子にどれだけの時間光を蓄積させるかという時間の長さです。
昼間の撮影では100分の1秒とか500分の1秒といったもの凄く短い時間で写すことが可能ですが、星空はもの凄く暗いので、数秒から数分といった時間、光を蓄積させ続ける必要があります。
カメラの設定がオートのままでは対応しないことが多いので、通常は「マニュアル露光モード」に切り替えて、自分で露光時間(シャッタースピード)を設定します。
露光時間が長いほど暗い星が写りそうですが、カメラを三脚などに固定して撮影している場合には、星が日周運動で動くので(カメラレンズの焦点距離にもよりますが広角系レンズなら)20~40秒くらいが適切なシャッタースピードとなります。
それ以上長くしても星が線になって写るので、暗い星が写るわけではありません。
(長時間露光でも星を点に写す方法はあるのですが、それはまた別の機会にします。)
上の写真はさそり座からいて座あたりを撮影した写真ですが、露光時間を20秒で撮影したものです。(レンズは20mmの広角レンズを使用)
ブログレベルのサイズだとこれを40秒で撮影してもほとんど点のままですが、少し拡大すると少しだけ横に伸びているのがわかります。
下はその20秒と40秒露光の等倍拡大にしたものです。(ここでは露光量を等しくするためF値を変えています。)
40秒になると少し大きく表示したり、印刷したときに無視できないくらい流れ出しています。
どのくらいのサイズにして使用するかを考えて露光時間を決める必要があるわけです。
また、これだけの長い時間シャッターが開いたままになるので、少しくらいの風ではブレないようなガッチリした三脚が必要になることがわかると思います。
さらにいえば、明るい場所で間違ってこの設定のままシャッターを切ってしまうと受光素子を破損しかねませんので十分な注意が必要です。
シャッタースピードとは直接関係がないのですが、デジカメには「長秒露光ノイズ補正」機能があり、通常はデフォルトでオンになっています。
デジタルカメラは原理的に長時間露光をすると受光素子自体が発生するノイズもドンドン蓄積されて画面全体が砂嵐のようになるという現象が起こります。
この機能はこの現象を軽減するためのものなのですが、撮影した露光時間と同じ時間をかけて受光素子から出てくるノイズを作り出し、写した画像からそのノイズを引き算するという処理をカメラ内部で自動的に行ってくれます。
あとでまとめてパソコン上で「引き算」をする裏技もあるのですが、慣れないうちはカメラ任せのこの設定を使う方が良いでしょう。
30秒露光するとそのあと30秒間カメラが使えなくなるのはかなりかったるく感じることもあります。
SNSにアップする程度の写真と割り切るなら設定をオフにしてもよいです。
また、タイムラプスや比較明合成など後処理でたくさんの画像をつなげるような場合もオフにしておかないとダメです。(続く)