雨上がり・・
雲は多いですが、空気が澄んで山がきれいに見えます。
今日は「ピント合わせ編」の2です。
前回はピント合わせが結構シビアーなんだという話をしたのですが、望遠鏡側の
問題だけでなく、もっとややこしくなる要因がいろいろあります。
望遠鏡の像というのは最終的に自分の眼の網膜に結像されて、物が見える
わけですので、突き詰めると望遠鏡と眼の光学系の合成で考える必要があります。
簡単に言えば視力によりピント位置が変わるということなのですが、話はそう
簡単ではありません。
肉眼だけで物を見るとき、眼は物が最もよく見えるように自動的に焦点を調整
します。
ところが望遠鏡を覗き込むという作業が加わると、眼は一生懸命見ようと
するためか、やたら近いところを見るようにピント調整をしてしまう傾向が
強くあります。
ただ、この傾向というのは個人差がとても大きく、人によってはリラックスして
ある程度遠くを見るような眼で覗き込むことができる人もいます。
近視の人がとても近くを見るようにして覗き込むのと、遠視(老眼含む)の人が
遠くを見るように覗き込むのとでは、かなりピントの位置が変わってきます。
つまり視力と個々人のクセによってピント位置が変わるので、視力が同じでも
人が合わせたピント位置でピントが合っているとは限らないということです。
スタパの観察会などでたくさんの方に望遠鏡を覗いて頂く場合には、できるだけ
一般的なピント位置に合わせるようにしているのですが、クセの強い方や、
強度の近視の方の場合には、ピント調整をやり直す場合もあります。
同じ人でもその日の眼のコンディションによってピントの位置が変わることも
あるほどです。
また天体望遠鏡の場合、接眼レンズを変えればピント位置が変わるのが常識です。
同じメーカーがシリーズで販売している接眼レンズの中には、同焦点タイプと
いって、接眼レンズの焦点距離が変わってもピント位置が変わらないように
作られている製品もありますが、完全にピント調整不要かというとそうでもなく
微調整が必要なことは多いです。
いずれにしても自分の眼を信じて、自分が最も良く見えるようにピントを
合わせる必要があるのだということを覚えておいて下さい。