スッキリ晴れないものの、今日は空気が澄んで久々に富士山が見えました。
だいぶ雪が少なくなっているのに驚かされます。
驚いたといえば、道のあちこちが雪が降ったかのように白くなっていました。
良く見ると、小さな花びら・・・、ミズキの花が散っているためでした。
めまぐるしく感じるほど季節が動いている感じです。
さて今日は、日の出光学の新商品<ヒノデ6×21-N1>を紹介します。
日の出光学は(これまでこのブログには何度も登場していますが、初めて聞く
方のために・・)あまりメジャーなメーカーではないですが、市場に粗悪な
双眼鏡があまりにも多いことを憂い、売れる製品(双眼鏡)を作るのではなくて、
自分たちが欲しいと思う製品を作ろうという会社です。
双眼鏡というのは低倍率ほど使いやすく、よく見えるのですが、よく知らない
人は間違いなく倍率の高い製品を選びます。
このため低倍率の製品を作っても売れないことが多いので、真面目なメーカー
でも低倍率の機種がドンドン廃止されてしまいます。
逆に売れれば何でも良いというメーカーはドンドン高倍率の製品を市場に
投入して行くという悪循環が双眼鏡の市場の傾向です。(望遠鏡も同じですが)
そういう情勢のなかであえて低倍率の双眼鏡の良さを啓蒙しつつ、マニアの
レベルでも十分納得させられる性能の製品をできるだけ安価に提供しようと
立ち上げられたのが日の出光学という会社なわけです。
今回の新商品<ヒノデ6×21-N1>(以下N1)は日の出のラインナップの中で
最安価(5980円)の入門向け商品です。
写真は大きさを分かりやすくするために、絵葉書の上に乗せて撮影しています。
パールホワイトの外観はかなりおしゃれな感じです。
とにかくコンパクトにして普段使いの使用頻度を高めるとか、子供さんの
ファーストスコープとしての用途を意識しているようです。
日の出には従来から<ヒノデ5×20-A1>(9800円)という商品があって、
スペックがダブる感じですが・・・
並べて見るとN1がいかに小さいかが分かります。
とにかく気軽にポケットに入れて持ち歩きたくなるようなサイズといえます。
日の出のサイトでは5980円という価格ではどこにも負けない見え味を目指したと
書いてあります。
確かにスカーンとしたヌケの良さは、日の出光学の他の機種と同じです。
A1よりも倍率が高いぶん昼間の景色でまぶしいほどではないですが、とても
明るい視界を楽しめます。
またA1よりも倍率が高いぶん解像度が高く、細かいところはN1のほうが
よく見えます。
日の出のサイトでは眼鏡をかけたまま見ると視野全体が見られないという
ような記載がありますが・・・
接眼レンズの見口のゴムを上の写真のように折り返せば、特に問題なく
眼鏡をかけたまま視野全体を見ることができます。
接眼レンズにお金をかけていないので覗きにくいというような解説もされて
いるのですが、A1が圧倒的に覗きやすいだけで、このクラスとしては倍率が
低く瞳径が大きいので、他社の8×22などの機種よりも覗きやすいくらいです。
星を見ても視野の7割くらいまでは点像に見えて、肉眼の補助的な使い方には
充分役に立ちますし、A1と比べた場合、視界は狭いですが、A1に比べ瞳径が
小さく空のバックグラウンドが暗くなるため最微星は勝る感じです。
コスト、大きさ、解像度がN1の売り。
覗きやすさ、視界の明るさ、視界の広さがA1の売りです。
どちらを選ぶかは価値観の問題になりそうです。
ところで・・・
似たような製品をホームセンターやネットショップなどで2~3000円で売って
いるのを見かけるかも知れません。(倍率は8倍とか10倍だと思いますが)
このての商品は覗くと薄皮が一枚挟まっているような白けた見え方をする
ものが多くて、日の出の製品とは別のものだと思ったほうがよいです。
間違っても似たような形だから似たような性能だと思わないで下さいね。