さて今日は、これまでに紹介した「ヒノデ5×20-A1」、「ルボルト6×30」
に続き、3機種目の「ヒノデ8×42 C-1」(以下C-1)についてのレビュー
です。
この8×42というスペックは双眼鏡を販売するメーカーのほとんどが
製品化しているものです。
日の出三兄弟のうち、この製品だけあえて他社競合の多いスペックでの
市場投入は、相当な自信の裏返しでもあると私は受け取りました。
前回と同様、スペックや価格、商品の紹介、開発経緯などは日の出光学の
サイトをご覧いただくとして、ここでは私の感想に絞って書きます。
前回も書きましたが、日の出扱いの3機種は、とにかく抜けが良く、
のぞいたときに「スカーン・・、シャキーン」と明るい感じがします。
ただ、C-1については前2機種のような強烈なインパクトは、最初は
あまり感じませんでした。
これは8×42というスペックがありふれたものであることや、このクラスに
なると、ワンクラス上の7×50などの機種との見え味の比較を無意識の
うちにしてしまうからなのだろうと後から気付きました。
そういう目でもう一度よくよく見てみると、明るさや解像度の高さは
やはり飛び抜けて良いことが分かります。
昼間の見え味は出来の良い7×50を凌駕するもので、のぞきやすさ、
重さとホールド感などはダハタイプの8×42を上回ります。
夜の見え方も7×50よりも瞳径か小さいこともあり、バックグラウンドが
暗くなって暗い天体が見やすくなります。
もちろん星像は視野のかなり端(90%くらい)までシャープな点像ですし、
ヘタな広角タイプより視野全体の星の数が多くなり、視野の狭さを
それほど感じないというのも、日の出三兄弟に共通する感覚です。
見慣れたスペックの製品であるだけに、最初のインパクトはそれほど大きく
ないのですが、使っているうちにジワジワと良さが分かってくるといった
感じです。
7~8万円もするようなダハタイプの8×42に負けないレベルの見え味を
めざしたという開発方針に見合った性能になっていると思います。
写真はいずれも8×42の双眼鏡です。(中央がC-1)
コンパクトデザインのダハタイプ(左)に比べれば大きく感じますが、右の
ポロタイプに比べれば、わりと小ぶりに作られていて、重量もダハタイプと
変わりません。
しつこいですが構えたときのバランスはやはりC-1が優れています。
一点、気になるのは左右の眼の視度調整が一般の双眼鏡と少し異なる
ところです。
通常は左目でピントを合わせてから、右目の視度調整をするのですが、
このC-1は逆で、右目を合わせてから左目の調整をします。
さらに、左目の調整は通常の接眼部周りを廻して行うのではなく、
中央のピントリングの一部をポップアップさせて行います。
このため、個人専用で使用する場合は問題ないのですが、人に貸し借りを
しなければならない場合は、いちいち使い方の説明をしなければなりません。
後はブランドや、コンパクトさなどにこだわるとか、どうしてももっと安い
ものでなければダメという事情でもない限り、他の8×42を選ぶ理由は
見あたりません。
個人的には7×50の出番がなくなると思っています。
さて、昨晩(今朝)の月です。
さすがに夜更かしして撮ろうと思っても、高度が高くなるのを待っていると
寝るタイミングを失いそうなので、(ちょっと苦手すが)早起きして撮りました。
この時期はまだ日の出が遅いので、それほど強烈な早起きでなくても良いので
助かります。