双眼鏡で星空観察入門 (47)

今日も雲の多い天候

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観察会の時刻だけ少し雲が切れて星を見て頂くことができました。

さて久々ですが「双眼鏡シリーズ」です。

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-24. ぎょしゃ座付近

ABK069 ぎょしゃ座 M38シュガースプーン星列 分類:M天体+星列

ぎょしゃ座は冬の天の川の中にあります。

肉眼では淡くしか見えない(または見えない)ことが多いですが、双眼鏡で見るとたくさんの星があるのが分かって、なかなか見事な眺めが楽しめます。

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ぎょしゃ座の五角形の中にはわりと見ごたえのある三つの散開星団M36、M37、M38があります。(厳密にM37は五角形から外れますが・・)

望遠鏡で見比べるとそれぞれ個性が違っていて、ひとくちに散開星団と言ってもいろいろなタイプがあるんだということがとても判りやすい見本のように3つ並んでいます。

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ぎょしゃ座のβ星とθ星の中間あたりを7倍前後の双眼鏡で見ると、西より(写真では上)にM36、東よりにM37が見え、さらに西より(ぎょしゃの五角形の中ほど)に双眼鏡を振るとM38が見えてきます。(少し離れているので低倍率の双眼鏡でも3個同時に見ることができない場合が多いです。)

まあ、双眼鏡で見てもあまり違いがわからず、どれもちょっとした光のシミ程度にしか見えないですが、望遠鏡で見るときに場所を覚えておいて損のないトリオだと思います。

星群・星列として面白いのはM38付近。

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シュガースプーンでほんの少し砂糖(M38)をすくい取っているように見えませんか?
(普通のスプーンではなくシュガーポットに付いているカーブのきついスプーンの形に見えないでしょうか?)

見ようによってはM36とM37がシュガースプーンからこぼれ落ちたお砂糖のようにも見えてきて、楽しいです。

そんなわけでこの星列を「ぎょしゃ座M38シュガースプーン星列」と名づけることにします。

ところでシュガースプーン、アメリカではスプーンのすくい取る部分だけで「スマイリーフェース」と呼ぶことが多いようです。

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また柄の部分は「The Flying Minnow(飛ぶハヤ)」と呼んでいます。

ハヤというのはフナ系の魚で、水面からピョンピョンと跳びはねる姿に似ているのでこう呼ぶそうです。

でもハヤというお魚を知りませんですし、それが水面から飛び上がるとどんな姿なのかも想像がつかないので「The Flying Minnow」といわれてもねぇ・・・という気がします。

またこの二つのアステリズムは小さくまとまっているので、本シリーズで対象としている低倍率の双眼鏡では少し小さくてあまり迫力がありません。

15~20倍くらいで見ると面白い対象だと思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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双眼鏡で星空観察入門 (47) への2件のフィードバック

  1. 青色つきこ のコメント:

    こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいておりました。今回立ち上げられた双眼鏡での星空観察はたのしそうですねぇ。小さな双眼鏡は望遠鏡のようにセッティグしなくても、どこでも気軽に使えますから。でも、スケッチに残すとしたらカメラ三脚くらいは欲しくなりますけど。私は双眼鏡での星団観察や重星観察あたりが好きです。因みにビクセンのニューフォレスタ8×32mmを使用しています。それから、金星の観測スケッチを載せていた回があったと思いますが、私はとても心を魅かれます。私は明暗境界線の形状やカスプキャップの変化をスケッチするのが好きなので。でも、年々、スケッチする機会も無くなってきました。機会があれば、他の金星スケッチも見せていただきたいです。(宿泊しに行けば良いでしょうけど)

  2. スタパオーナー のコメント:

    青色つきこサマ

    いつもご覧頂き、またコメントを頂きありがとうございます。
    双眼鏡で星を楽しむスタイルを実践されているようで、(仲間が増えた気がして)
    嬉しい限りです。
    双眼鏡はお手軽で、ちょっとの時間でも、少しの晴れ間でも気楽に持ち出して
    楽しめるのがよいですよね。
    メジャーな星団や重星に加えてぜひ星列の観察にもトライしてみて下さい。

    金星のスケッチは学生時代に他の惑星(木星・火星)のシーズンオフに眼を
    鈍らせないための訓練用に採っていいました。
    昼間(でないとまぶしくてダメなので)にできるのと、コントラストが非常に
    低いので、サークルの惑星観測の練習用にはうってつけの対象でもあったためです。
    今では眼が悪くなって、とてもスケッチができる眼ではなくなってしまっていますが・・・

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