今日は雨模様の一日でした。
さて空は雨でも心は晴れ、今日もゼロから始める「星空観察」です。
第1章 星は「いつ」・「どこで」見るの?(続き)
1-4.満天の星は「夜」に見る
さてコレも「何、当たり前のこと言っているの」と叱られそうですが、ゼロ初心者が思う「夜」と、星を見るための「夜」には少し隔たりがあるように思うのです。
多くの方は午後8時(20時)は夜だと思うかもしれないのですが、(関東近郊では)夏至(6/20頃)前後1ヶ月の範囲では20時になっても薄明が終わらず、天の川が見えるような星空にはならないのです。(薄明の終わる(始まる)時刻は観測地の緯度経度により変わります。)
夏はなかなか夜が始まらない・・・
都会では日没後30分もすればそれ以上空の暗さはほとんど変わらず、星の見え方に違いがないかもしれないのですが、空の暗い場所では日没後1時間半近く経過しないと本来の星空にならないのです。
20時なら夜だから満天の星がみえて当然という先入観で見てしまうと、ガッカリしてしまうこともあるわけです。
満天の星はしっかり夜が更けてから見ましょう。
同様に夏至前後というのは朝もとても早くやって来ます。
午前3時に早起きしたのに、程なく薄明が始まってしまったなんてことも起こります。
夏(夏至前後)は想定以上に夜が短いということを覚えておいてください。
そして満天の星は薄明終了後(または開始前)でなければ見えないということも合わせて覚えておきましょう。
関東近郊だとまだこの程度の夜の長さがあるのですが、緯度の高い地域に行くと夜はもっとグッと短くなるので注意が必要です。
極端な例では終日太陽の沈まない白夜になるわけですが、そこまで行かない地域でも太陽が地平線下に深く沈む時間が短いので、薄明のない「夜」の時間がとても短くなるのです。
すでに「1-1-1.空気の澄む時刻」でも述べましたが、多くの人が起きて活動している時刻は夜になっても街全体のあらゆる照明が点灯しています。
野球場・サッカー場・ゴルフ練習場などスポーツ施設の照明、各種商業施設の屋外照明などの屋外照明、看板サインなどの照明からはかなり多くの光が天空に照射されているので空全体が明るくなり星が見えにくくなります。
道路照明、ビルや家々から漏れる光も馬鹿になりません。
でも施設の営業時間が終わればかなり多くが消灯されますし、人々が寝静まる23時くらいになると空がグッと暗くなります。
街からかなり離れたスタパでも宵の口と深夜では星の見え方が変わりますので、街明かりの影響は決して無視できないのです。
深夜以降のほうが空が暗くなり、空気も澄んでより星を見るのには適した状態になります。
一口に「夜」と言っても星見に適した状況があることを気にとめておいて下さい。
(続く)