今日で2月も終わり。
冬が終わるからというわけでもないのでしょうが、今ひとつの
天候が続く感じです。
2月6日の記事「今年の春の大曲線」でも紹介したのですが、今年は
春の大曲線をつなぐ星であるアルクトゥールスとスピカの間を火星が
行ったり来たりするという現象が起きます。
上の写真は2月6日の写真と見比べて頂くと分かるのですが、
アルクトゥールスとスピカを結ぶ線の上に火星があったのに、
この写真では下に移動しています。
この動きを「順行」と言って、火星も地球と同じように太陽の周りを
公転しているので、基本的には星座の中を西から東に動いて行く
ように見えます。
ただ少しややこしいのは、火星と地球の公転周期は違っていて、
地球が約365.25日(=1年)で太陽の周りを回るのに対して、火星は
約168日1周しますので、平均では2年2ヶ月毎に地球が火星を
追い越すような形になります。
ちょうど地球が火星を追い越す前後の1ヶ月くらいの期間は地球から
火星を見ると星座の中をいつもとは逆の方向に動くように見えます。
この動きを「逆行」と言います。
太陽の周りを回る火星や木星を惑星と呼ぶのは、このように星座の
中を惑うように動く星なので「惑星」と呼ばれることになったわけ
です。
ふだんこの逆行は注意深く観察していないと見過ごしてしまうのですが
今年はアルクトゥールスとスピカがよい目印になって火星の位置が
変わって行くのを見ることができます。
ぜひ「惑」星の動きを観察してみて下さい。