超々!入門 望遠鏡光学 レンズを理解する - その1 -

今日も雨模様・・・

雨に洗われた若葉たちが一段と輝きます。

こういう風景を見ると、ひとくちに「緑」といっても本当にたくさんの「緑」が
あるものだと感心してしまいます。

さて、昨日予告しましたように、今日から「超々!入門 望遠鏡光学」の
スタートです。

望遠鏡を語るにあたり、まず何より初めに「レンズ」について知って
もらおうと思います。

レンズには光を集める働きがあります。
(ここではしばらくの間、特に断らない限り光を集める虫眼鏡のような
凸レンズをレンズと言いいます。)

 

小学校の頃に太陽の光を一点に集めて黒い紙を焦がした経験のあるかたが
多いと思います。

つまりレンズには虫眼鏡のように大きく見えるようにする働きとともに、
光を一点に集める働きがあるわけです。

 

この光が集まる点を「焦点」(焦げる点と書きます)と呼び、レンズから焦点までの
距離を焦点距離と言います。

遠くにある太陽ではなく近くにある電球などで焦点を結ばせようと思うと
(レンズが光を曲げる力は同じなので)、太陽のときより遠くに焦点ができます。

 

このように対象により距離が変わるとややこしいので、特に断らない限り
無限遠から来る光=平行光が焦点を結ぶ距離を「焦点距離」と言います。

ついでに説明しておくと、このレンズが光を受ける面の直径を「口径」といいます。

「レンズ径」と呼ぶこともありますが、望遠鏡などに組み込まれたときに、
どうしてもレンズ押さえの部分でロスが出ますので、この場合は実際に光を
受ける径という意味で「有効径」とか「有効口径」などと区別して言うこともあります。

また、よく使う言葉で「口径比(F)」があります。

 口径比(F) = 焦点距離(f(mm)) ÷ 口径(D(mm))

という式で表され、レンズの基本的性能を示す数値として使われることが
多いです。

焦点距離や口径比という言葉は、カメラの世界でもよく使われる言葉です。

望遠鏡の場合はレンズの口径が大きいほどたくさんの光を集めることができる
ので、暗い星を観察できるとか、倍率を上げても暗くならず、鮮明度(分解能)
が高くなるなど、理論上の性能が上がります。

また、焦点距離は(後日説明しますが)倍率を決めるのに重要ですし、口径比は
望遠鏡の性格(高倍率向けとか低倍率向けや、写真向けか眼視向けかなど)を
判断するのに重要な意味を持っています。

たいへん基本的で重要な用語なのでぜひ覚えておいて下さい。

(続く・・)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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超々!入門 望遠鏡光学 レンズを理解する - その1 - への2件のフィードバック

  1. すずき のコメント:

    あたらしいシリーズの始まりですね。工夫される努力に敬服いたします。
    判りやすく楽しい説明、お願いします。
    でも、あまり無理しないで、ゆったりペースで行きましょう。
    梅雨前になんとか訪問したかったのですが、どうも無理そうです。早く梅雨があけるのを祈るばかりです。

  2. スタパオーナー のコメント:

    すずきさま
    いつも応援ありがとうございます。
    はい、このシリーズ・・もしかすると私のワイフワークになるかも?と思っています。
    ですから力は入っているのですが、ゆっくり・のんびり(たぶん不定期になると思いますが)
    行きたいとも思っています。
    疑問、質問、突っ込み・・いつでも歓迎ですのでよろしくお願いします。

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