冬の星座シリーズ -その10(完)- ふたご座

今日も八ヶ岳ブルーな、とても寒い一日。

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富士山が当たり前のように毎日ハッキリ見えています。

今夜も月の写真を撮ることができました。

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でも今日はとても気流が悪くて、月の縁がギザギザになっています。

全体には寝ぼけた感じですね。

さて今日は冬の星座シリーズ最終回「ふたご座」です。

ふたご座はお誕生日の星座にもなっているので名前だけは知っているかたも
多いと思いますし、1等星を持つ星座なので実際の星空でも分かる人も
多いと思います。

ふたご座はギリシア神話に登場するカストルとポルックスという双子の兄弟です。

双子と言ってもちょっと複雑で、例によって女癖の悪い大神ゼウスが絡んでいます。

トロイの王妃レダにゼウスが白鳥に化けて横恋慕した直後に、遠征から戻った
テュンダレオス王も夫婦の営みをしてしまったために、なんとレダは二つの
卵を産むことになります。(白鳥に化けたゼウスがはくちょう座になっています。)

二つの卵からはそれぞれ男の子と女の子が生まれたそうです。

ひとつはテュンダレオス王の血を引くカストルとクリュタイムネストラ(後に
夫を殺してしまう悲劇のヒロイン)が生まれます。

もうひとつはゼウスの血を引くポルックスとヘレネ(トロイのヘレン:
トロイア戦争の発端となる美女)が生まれたそうです。

というわけで双子なんだけど異父兄弟というギリシア神話ならではの不思議な設定です。

とても仲のよい兄弟だったそうですが、アルゴ船の冒険の途中の戦いでカストルが
命を落とし、ポルックスも後を追おうとしたのですが、神の血を引くポルックスは
不死身のため死ぬことができず、これを哀れに思ったゼウスが二人そろって星座に
したということです。

実際の夜空でもこの二人は肩を組むように並んでいます。

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それそれの頭にあたる星にもカストルとポルックスという固有名が付けられています。

足下には冬の天の川が流れ、双眼鏡で眺めてもとても楽しめるあたりです。

ふたご座の名所というと何と言っても散開星団のM35だと思います。

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カストルの足下にあるとても見ごたえのある散開星団です。

小さな望遠鏡でも星の大集団であることが分かります。

大口径向けの名所としては惑星状星雲のNGC2392(エスキモー星雲)があります。

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大望遠鏡で写真を撮るとファーの付いた帽子をかぶったエスキモーの顔のように
みえることからその名前がついていますが、眼で見る限りはにじんだ恒星にしか
見えません。

それでも星座の中で見える惑星状星雲としてはわりと見やすいほうだと思います。

ふたご座にはもうひとつぜひ見ておきたい天体があります。

ふたご座のα星カストルです。(β星ポルックスのほうが明るいのですが、兄の
カストルのほうがα星になっています。)

カストルは連星で100倍くらいの倍率で見ると可愛らしい純白の雪だるまの
ような眺めです。(口径5cmの望遠鏡でも見えます。)

望遠鏡で見ることはできないのですが、実際には6重連星というとても複雑な
恒星系です。

もしもそんな恒星系に惑星があったとしたら、滅多に夜が来ないとても不思議な
世界でしょうね。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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