機材の準備ができたところで、いよいよ実際に星景写真を撮ります。
撮影の手順は次の通りです。
1.望遠鏡を写したい範囲の中心付近に向け、その近傍にあるわりと明るめの
星を導入する。
2.接眼レンズをのぞき、十字線の中央に星を導く。
3.そのまましばらく星の動きを観察して、どの方向に星が動くかや、上下と
水平の微動装置をどのように回したら常に十字線のうえに星を止めておけるか
を練習する。(経緯台でガイド撮影をする場合、写す方向により星の動きが
違うので、よほど慣れるまではこの練習が必要です。いきなり写し始めると
微動装置の操作を間違えて、ガイドミスを起こしやすくなります。)
4.カメラレンズの焦点距離(35mmカメラ相当で)28mm前後なら15秒間の星の
動きは点に写りますから、その範囲の星の動きはあまり神経質にならなくても
よいですが、十字線の中央付近に星を留めておけるようにして下さい。
(焦点距離50mm前後なら8秒くらいの動きでも点になります。)
5.だいたい微動装置の操作の感覚がつかめたら、カメラの画角を手早く決めて
固定します。(手早くしないとガイド星が望遠鏡の視野から逃げてしまいます。)
6.カメラの画角が決まったら、再度ガイド星を十字線の中央に戻してから、
カメラのシャッターを切ります。(この時カメラのシャッタースピードは
バルブでシャッターを開けたままにします。)
7.露光したい時間(たとえば60秒)が経過する間、微動装置を操作して、十字線の
中央付近に星がいるように(、カメラブレが起きないように、)そっと操作
します。
8.所定の時間がきたらシャッターを閉じます。
文章に書くと大変そうですが、一度やれば簡単にできるようになると思います。
望遠鏡の向きとカメラの向きはできるだけ同じほうが、写野周辺の星の回転が
対称になって、安定した画像になります。
ただし、望遠鏡の筒がカメラレンズより前に出ていると・・・
こんな風に筒先が写り込んでしまう(右下に写ってます)ので、注意してください。
経緯台でのガイド撮影は赤道儀が使用できない場合の緊急待避的な使い方ですが、
固定撮影よりは格段に情報量が多くなって見ごたえのある星野写真になります。
一手間掛けるだけの価値はあると思いますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。