3日間家を空けたので、その間の事務作業をこなすため今日は一日PCの前でお仕事でした。
天候はイマイチですが雨でないのが救いです。
さてずいぶん間が空いたのですが「ガリミス」シリーズの完結に進めたいと思います。
実は先日の公開天文台協会(JAPOS)での発表は「ガリミス」の内容そのものなので、発表前にこのブログで結論を書いてしまうのもいかがなものかと思い止めていました。
これまで対物レンズをアクロマートとして短焦点低倍率(F6/5倍)、長焦点高倍率(F12/20倍)の組合わせにより、シングルレンズの接眼レンズのケプラー、ガリレオ両方式を比較してきました。
結果として短焦点では圧倒的に、長焦点でもかなりガリレオ式が有利であることが判りました。
対物レンズをアクロマート式としてエラーの少ない状態での結論ですので、ガリレオさんが実際に使ったシングルレンズの非常にF値の大きな対物レンズを使用した場合にどうなるのかを検証しなければ片手落ちと言えます。
本シリーズの冒頭(その2)でも紹介したように、シングルレンズの望遠鏡も準備しています。
この望遠鏡はトイグレードの鏡筒、対物レンズを流用しています。
対物レンズはシングルレンズで、口径40mmほどですが、鏡筒のすぐ内側に約18mmの遮光環があります。
焦点距離は450mmほどなのでF25となり、倍率は15倍となります。
ガリレオさんの時代にありがちな仕様だと思います。
さてこの望遠鏡の見え味はどんなものなのでしょう。
まずケプラー式。
視界は1.3°(アクロマート高倍率の組み合わせより倍率が低い分視界が広くなっています)、でも良像範囲は0.3°ほどで月を中心におくと月の周辺部は細かいところが見えなくて、つきの縁には青い収差がぐるりと取り巻きます。
アイポイントは狭くかなり覗きにくいです。
一方、ガリレオ式は
視界は0.25°(視点移動により1°以上)で、良像範囲は0.5°以上あります。
つまり視点移動をすれば月全体が良像範囲に入ります。
口径が小さくなって、F値が大きくなった分ケプラー式にとって有利な結果(アクロマート式の時より差が縮まっている)となりましたが、それでもまだガリレオ式の優位は崩れていないように思います。(続く)