今日は午後から雨模様・・・。
さて少し間が開きましたが「古人が見た星座の秘密」シリーズです。
2.微光星に彩られる星座たち(続き)
2-2. 揺らめくうお座のリボン
うお座はお誕生日の星座なのでご存じの方も多いと思います。
実際の星空では暗い星が多いので見つけるのが少し難しいですが、慣れるとペガススの四辺形を挟むようにα星(アリルシャ)を頂点とした大きなV字型を見つけることができるようになります。
星座の形としては二匹の魚のそれぞれの尻尾にリボン(ヒモ?)が繋がった姿が描かれています。
神話では神様の親子が魔物に襲われ、川に飛び込んで魚に変身しして逃げるときにはぐれてはいけないのでお互いをリボンでつないだと言うことになっています。
それにしても魚の尻尾にこんなリボンが着いていたら、さぞ泳ぎにくくて、却って魔物に捕まりやすくはないかと心配になってしまいます。
水の中とはいえリボンが派手に揺らめいた絵になっていて、星の並びからすると昔の人はずいぶん想像力が豊だったのかと感心していました。
でも、双眼鏡でこのあたりを見ると、派手に揺らめいたリボンがあながち脚色ではないのかも知れないと思えるようにたくさんの微光星が揺らめくように並んでいることに気付きます。
リボンの星周辺にはたくさんの微光星があって、どんなふうにつなぐかは見る人や空の条件によって変わるかも知れませんが、確かにユラユラ曲がりくねったリボンが見えてきます。
実はこの星座(=うお座)を考案した古(いにしえ)の人々には、この曲がりくねったリボンが見えていたのだろうと考えられるのです。
さらに深読みをすると、人間の眼の特性上、視野の中心付近では暗い星が見えず、視野の周辺部分で暗い星が見えるという現象があります。
このため暗い星は視線を動かすことにより見えたり見えなかったりするのですが、上の写真のようにグニャグニャした暗い星の並びを視線を移動しながら眺めると、この現象によってまるでリボンが揺らめくように見えていたのかも?と思えてきます。
古人たちは私たちが考える以上に豊かな想像力と遊び心を持って星座を作っていたのかも知れません。