古人が見た星座の秘密 その14

今日は数日に青空が戻ってきました。

さて今日も「古人が見た星座の秘密」シリーズです。

4.バイエル符号の謎(続き)

4-1. オリオン座バイエル符号の謎

オリオン座のバイエル符号の付け方についてはかなり納得の行かない部分があります。

下の写真はオリオン座中央部で主要な星たちの、ギリシア文字の順番、ギリシア文字、実等級(明るさ)を示しています。

まず第1にα星(ベテルギウス)とβ星(リゲル)の明るさが逆転しています。

まあ北半球ではベテルギウスのほうが上にあって判りやすいので1番目の星になったという理由もバイエル符号の順番では普通にあります。

例えばふたご座のα星(カストル)は2等星でβ星(ポルックス)は1等星ですが、カストルのほうがお兄さんということになっているのでその順番とかというのもあります。

でも、ひょっとするとバイエル符号が決められた1600年代初頭にはベテルギウスのほうが明るかったのかも知れません。(ベテルギウスは寿命末期のため変光星です。)

古人が見たベテルギウスの明るさは本当のところどうだったのでしょうか・・・・

次に第2番目の謎です。

左下のκ星はオリオン座の骨格をなす上で重要な星なので右上のγ星の次くらい(4番目)に選ばれても不思議はないと思うのです。

でもなぜか三つ星(δ、ε、ζ)に先を越され、さらに鼓型から外れたη、θ、ιという3等星前後の星に先を越されていてどうも納得が行かないのです。(θ星の所にはオリオン大星雲があって実際はかなり明るく3等星くらいに感じます。)

またη星とκ星には「サイフ」(巨人の剣)という同じ固有名が付けられているのも変です。
現代では三つ星の下にある縦に並んだ小三つ星を短剣に見立てることが多いようですが、三つ星の下に平行するようにη-θ-ι-κという長い剣を見立てていたのかも知れません。(η-θ-ιを剣と見立て、κはηと間違えて固有名が付けられたという説もあります。)

古人は今の星座絵に描かれるよりずっと大きな剣を腰に下げているオリオンを思い描いていたのかも知れません。

大きな剣と見立てると順番的にκが最後になってしまうのは仕方ないことだったのかも知れませんね。

それにしてもバイエル符号はもうちょっと明るさの順にこだわって欲しかった気がします。(続く)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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