M87のブラックホール

今日は曇りのち雨の一日。

さて先日来、天文業界ではブラックホールの姿を初めて画像として捉えたという話題が脚光を浴びています。

まあブラックホール自体は光を吸い込んでしまうものなので、落ち込みつつある周りの物質が光っているのが写ったというのが正しい表現なのかも知れませんが、確かに理論的に予測されたとおりに写っていたようです。

このブラックホールはおとめ座にあるM87という系外銀河の中心部にあることが以前から分かっていました。

私たちの属する天の川銀河はもちろん多くの銀河の中心部にはブラックホールがあることが知られて(または予測されて)います。

上はスタパの40cm望遠鏡で撮影した写真ですが、M87は楕円銀河と呼ばれる銀河で、望遠鏡で見てもモヤッとした(ピンボケの星を見ているような)見え方であまり面白い天体ではないです。

でもM87は私たちの銀河系よりもかなり規模の大きな銀河で、中心にあるブラックホールも桁違いに大きいものがあると考えられていました。

大きいと言っても超々高密度なので大きさ自体はそれほど大きくはないですが、それでも地球から観測できるブラックホールとしては一番大きく見えるものなので、今回の観測対象となったようです。

ブラックホールの特性上、たくさんのものを引きつけるのですが、飲み込んでしまうのはそのごく一部で、ほとんどの物質は引き寄せられた後に自転軸の極方向に吹き飛ばされてしまいます。

M87特大のブラックホールなのでこのジェット噴射のように吹き飛ばされる物質の量も大量で地球からも観測することができています。

先ほどの写真の中心部のみを拡大したのがこちらで、中心から左下にジェット噴射が短い線状に写っています。

初めにこの光条に気付いた天文学者はとても不思議に思ったことでしょう。

銀河の中心から何千~数万光年という長さの光の筋が出ているのをどう説明するのかとても悩んだのではないかと思います。

宇宙の不思議は本当に面白いです。
(すみません、昨日アップし忘れていました。一日遅れのアップです。)

 

スタパオーナー について

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